
競馬での馬券の買い方は人それぞれで、応援している馬をずっと買い続ける人もいれば、WIN5で一攫千金を狙う人もいます。
そんな馬券の買い方のひとつに、「複勝転がし」と呼ばれる買い方があります。
「複勝」という方式の馬券を知っている方でも、「複勝転がし」は知らない方もいるのではないでしょうか。
本記事では、競馬の「複勝転がし」について解説します。
併せて、複勝転がしのメリットや成功させるコツについても解説するので、競馬を初めて間もない方はぜひ参考にしてください。
複勝転がしとは?
複勝転がしとは、複勝式の馬券を購入して的中したお金を全額、次の複勝馬券の購入資金に充てるような買い方です。
レースで得た払戻金を全額次のレースに投入するような購入方法を「転がし」といいますが、それを複勝馬券で行うため、「複勝転がし」と呼ばれます。
たとえば、複勝1,2倍の馬に1,000円を賭けて当てたとすると払戻金は1,200円ですが、その1,200円はすべて次の複勝の購入資金になります。
続いて、複勝1.5倍の馬に先ほどの払戻金1,200円を賭けて当てると、払戻金は1,800円です。
これを何度も継続して、少ない資金で最終的に多くの払戻金を得ることを狙うのが複勝転がしです。

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複勝転がしのメリット
複勝転がしは馬券の買い方のひとつですが、初心者の方にも馬券玄人の方にもおすすめできる購入方法といえます。
複勝転がしのメリットを、紹介しましょう。
馬券がわかりやすい
複勝は「選んだ馬が3着以内に来れば当たり」のわかりやすい馬券です。
そのため、自分が選んだ1頭の馬をずっと見ていれば、当たりか外れかをすぐに判断できます。
馬券には3連単や3連複のように3頭の組み合わせで当たりハズレが決まるようなものもありますが、競馬初心者の方にはパッと見で当たり外れがわかりにくいこともあります。
当たり外れがわかりにくいと応援にも身が入らず、結果として競馬に熱中できないかもしれません。
自分が選んだ1頭だけを見ていれば楽しめるのは、とくに初心者の方向けのメリットといえるでしょう。
少額から楽しめる
複勝転がしは、何度か連続で馬券を的中させることを目的としていますが、最初に必要な資金は少なくても大丈夫です。
後ほど例を挙げながら説明しますが、複勝転がしは最初の資金が少額でも、最終的には元の資金の数倍といったそれなりの払い戻しを目指せる馬券の買い方です。
最低でも100円あれば楽しめるので、馬券ビギナーの方に進めるのに向いている馬券購入方法のひとつといえます。

的中難易度が低い
複勝は「上位3頭のうちいずれか1頭を予想すればよい馬券」なので、的中難易度が低いのもメリットのひとつです。
たとえば10頭立てのレースの場合、発売されている各券種の的中確率は以下のとおりです。
- 単勝:1/10=10%
- 複勝:3/10=30%
- 枠連:1/30≒3.3%
- 馬連:1/45≒2.2%
- 馬単:1/90≒1.1%
- ワイド:3/45≒6.7%
- 3連複:1/120≒0.8%
- 3連単:1/720≒0.1%
複勝の的中確率が飛び抜けて高いことが、おわかりいただけるでしょう。
当たらなければ楽しくありませんし、資金もどんどん減っていってしまいます。
複勝で勝負をするのは、的中難易度を下げて当てやすくするという観点において大きなメリットです。
的中が続けば高回収率になる
複勝は的中率が高い代わりに、ほかの券種と比べるとかなりオッズが低いです。
そのため、同じ金額を賭けて的中したとしても、ほかの券種と比べると回収率は高くありません。
しかし、「複勝転がし」は的中によって増えた資金をどんどん次の馬券購入費用に充てる買い方なので、的中が続けば購入資金も自然と増えていきます。
その結果、最初は少額からスタートしていたとしても、最終的にはまとまった資金で馬券を購入することになるので、高回収率が見込めます。

1,000円スタートの複勝転がしの具体例

「オッズの低い複勝を買い続けても大してお金が増えないのでは?」と考えている方も、いるかもしれません。
そこでここでは、1,000円から複勝転がしをして6回連続で的中させた場合に、最終的にどれくらい資金が増えるのかをシミュレーションで確認していきます。
1回目から6回目まですべて「複勝1.3倍の馬」に賭け続けて、複勝転がしを成功させた場合のシミュレーション結果は、以下のとおりです。
なお、馬券を購入できる最小単位は100円からなので、シミュレーション結果では100円未満は省いています。
- 1回目:1,000円×1.3=1,300円
- 2回目:1,300円×1.3≒1,600円
- 3回目:1,600円×1.3≒2,000円
- 4回目:2,000円×1.3=2,600円
- 5回目:2,600円×1.3≒3,300円
- 6回目:3,300円×1.3≒4,200円
このように、最終的に資金が4,2倍に増えたことがわかります(シミュレーションでは100円未満では省いているので、実際はもう少し増えています)。
1,000円が4,200円に増えても大したことないと思われるかもしれませんが、10,000円でスタートすれば42,000円になっていますし、10万円スタートなら42万円です。
しかも、「複勝1,3倍の馬」は基本的に上位人気で好走確率も高いので、6連続的中となっても何ら不思議ではありません。
ちなみに、シミュレーションの過程は省いて結果だけお伝えしますが、「複勝1.4倍の馬」を6連続的中させた場合、1,000円は7,500円になります。
複勝転がしが夢のある買い方であることが、おわかりいただけたのではないでしょうか。
複勝転がしのデメリット
複勝転がしには多くのメリットがある一方で、デメリットがまったくないわけではありません。
複勝転がしのデメリットを、紹介します。
一度で大きな利益を得られるわけではない
競馬の馬券の中でも3連単や3連複といった馬券は、レースが荒れれば数百万円、数千万円といった払い戻しになることもあり得ます。
一方、複勝馬券はどれだけ人気のない馬が激走したとしても、よくて数千円~1万円強程度が関の山です。
そもそも、複勝転がしをする場合は的中率を重視する必要があるので、そういった穴馬を買うことは基本的にありません。
一度で大きな利益を得られるわけではないので、一攫千金を狙っている方には向いていません。

連勝しなければならない
複勝転がしに限らず「転がし」の馬券は、的中で得た払戻金が次の馬券を購入するための資金になるので、連勝することが前提です。
複勝はすべての券種の中でもっとも当たりやすい券種ではありますが、レース選びや馬選びを適切に行わなければ、連勝はなかなかハードルが高いです。
1回目や2回目は難なくクリアできても、勝ちを重ねるごとにプレッシャーや緊張感も増していくので、そういったものに打ち勝つための精神力も求められます。
外れれば利益がすべてなくなる
複勝転がしは払戻金の一部を手元に残すことなく、すべて次の馬券の購入資金に充てる買い方です。
そのため、的中が途切れることは、そこまで積み重ねてきた利益がすべてなくなることを意味します。
先ほど行ったシミュレーション結果をもとに考えると、1,000円スタートで5回目まで的中させれば3,300円の払い戻しを受けられるので、2,300円の利益です。
しかし、6回目の馬券を的中させられなければ、2,300円の利益はなくなってしまいます。
どこまで続けるか、どこで辞めるかの判断が難しいのは、複勝転がしのネックのひとつといえるでしょう。
複勝転がしを成功させるコツ

複勝転がしを成功させるためには、闇雲にチャレンジしているだけではいけません。
複勝転がしを成功させるコツを紹介します。
少頭数のレースを狙う
複勝が的中となるのは「購入した馬が3着以内に来た場合」であり、これは10頭立てのレースでも18頭立てのレースでも変わりません。
そのため、基本的には少頭数のレースを狙ってチャレンジしたほうが成功の可能性は高いといえます。
レース選びの際は、まず先に出走頭数を確認するようにしましょう。
ただし、少頭数であればあるほどよいわけでは必ずしもありません。
というのも、「3着以内」でゴールすれば複勝の的中対象となりますが、7頭立て以下のレースでは、複勝の的中対象が「2着以内」になってしまうからです。
3着以内での複勝的中を狙うのであれば、8頭立て以上のレースで馬券を購入しましょう。
実力が拮抗しているレースは避ける
出走する馬の力関係はレースによってさまざまで、上位と下位がハッキリ分かれているレースもあれば、上位陣数頭の実力が拮抗しているレースもあります。
後者のレースではゴール前で激しい着順争いが見られそうで、レース観戦の観点からは楽しいかもしれませんが、複勝転がしをするうえで参戦するレースとしては好ましくありません。
実力が拮抗しているということは、スタートの成否やレース中のちょっとした展開のアヤで、着順が入れ替わる可能性があるということです。
自分の購入している馬にとって不利な展開になると、複勝転がしの成功も危うくなってしまいます。
複勝転がしを成功させるのであれば、上位と下位がハッキリ分かれているようなレースを中心に攻めるのがおすすめです。
成績が安定している馬を狙う
競馬新聞に掲載されている馬柱を見ると、それぞれの馬のこれまでの成績を確認することができます。
競走馬の成績は[a,b,c,d]といった表記で表されることが多く、aから順に「1着の回数」「2着の回数」「3着の回数」「4着以下の回数」を示しています。
仮に[2,1,3,8]の馬がいたとすると、この馬は「1着2回」「2着1回」「3着3回」「4着以下8回」の成績です。
この成績の見方を踏まえて、複勝転がしでは複勝の的中対象である「a~c」の割合が高い馬を選ぶべきです。
たとえば、複勝転がしで購入を検討している馬が2頭いて、片方の成績が[2,0,0,6]、もう片方の成績が[1,2,4,1]としましょう。
前者の馬は、これまで複勝対象の1~3着で走った割合が2/8=25%であるのに対して、後者の馬は7/8≒88%です。
そのため、複勝転がしで購入するのであれば、後者のほうが向いているといえます。
成績をチェックして、「うまくハマれば頭まで突き抜ける馬」よりも、「どんな条件でも手堅くコンスタントに走ってくれる馬」を選ぶのがベターです。

自分なりのルールを決めてそれに従う
ギャンブルでもっとも大事なことは、「自分なりのルールを決めてそれに従うこと」であり、複勝転がしをする場合にもこれは当てはまります。
というよりも複勝転がしこそ、「自分なりのルールを決めて守ること」の重要性がとても高い手法といえます。
先ほども少し触れましたが、複勝転がしは「どこまで続けるか、どこで終わるか」を判断するのがとても難しいです。
何レースも連続して複勝を的中できていると、「次のレースも当てられるんじゃないか」と何の根拠もなく思ってしまいがちです。
そして終わりどきがわからなくなり、最後に外して利益をすべて失って呆然とする…といった経験をしたことがある方も多いでしょう。
だからこそ、たとえば「元の資金の3倍になったら止める」「1日に購入するレース数は8レースまでにする」など、自分なりのルールを決めて徹底的に守る必要があります。
ルールの中身を適宜見直してより納得のいく内容にすることで、より長い間複勝転がしを楽しめます。
複勝転がしで競馬を楽しもう

複勝転がしは複勝式の馬券を連続で的中させることで、少ない資金からでもそれなりの回収率を目指せる馬券の買い方です。
複勝を買う場合は1頭だけに注目すればよいので、自分が購入した馬券が当たったか外れたかの判断が付きやすいですし、的中率も高めなので競馬を楽しみやすいです。
何回も連続で的中するというハードルを超える必要はあるものの、少ない元手からは考えられないような払い戻しを得られることもあるので、夢のある馬券購入方法といえます。
複勝転がしのチャレンジを続けることで、確実に馬券圏内に来る馬を見抜く訓練にもなるので、競馬ビギナー以外の方にもおすすめです。
「どこまで続けるか、どこで終わるか」の判断が難しいので、事前に自分なりのルールを決めておき、そのルールに基づいて楽しむようにしましょう。

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