日本の競馬には「芝」と「ダート」、「障害」の3つのコースが存在しています。
このうち、芝とダートは開催頻度も多く、このふたつのコースを中心に馬券予想に取り組みます。
ところで、なぜ競馬には芝とダートのふたつのコースがあるのでしょうか。
今回は競馬の芝とダートの違いについてまとめました。
また、芝とダートに適した競走馬の適性も解説しているので予想の参考に活かしてください。
競馬場には芝コースとダートコースがある
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日本の競馬は大きく分けて芝とダート、そして障害の3つのレースが存在しています。
このうち、障害レースは一日に1~2回しか開催されません。
また、札幌競馬場や函館競馬場では障害コース自体が設けられておらず、3つのコースの中ではもっとも使用頻度が少ないです。
そのため、競馬のコースといったら芝とダートがメインと考えてもらって良いです。
ここからは、競馬が開催される芝コースとダートコースの特徴について解説します。
芝コースは天然の芝が舞台のコース
競馬における芝コースとは、緑一色の天然芝が敷かれたコースを指します。
競馬といったら芝といっても過言ではないくらい、競馬を代表するコースで、主に中央競馬(JRA)で導入されています。
なお、だれもが知っているであろう日本ダービーや有馬記念といったG1競走も芝コースで開催です。
ちなみに、日本の芝コースは大きく分けて「野芝」と「洋芝」、「野芝+洋芝のブレンド」の3種類が導入されていますが、基本的にはブレンド芝が使われています。
野芝は新潟競馬場と夏の小倉競馬、そして秋の中山競馬で導入され、洋芝は北海道にある札幌競馬場や函館競馬、地方競馬場で唯一芝コースが設けられている、盛岡競馬場で導入されています。
野芝は暑い地域ほど育ちやすい反面、寒冷地では生育が良くないため、冷涼な北海道にある札幌競馬や函館競馬では寒い地域でも根付く洋芝を採用しているのです。
ダートコースは砂地が舞台のコース
ダートコースとは薄茶色の砂地が一面に敷かれたコースです。
主に地方競馬(NAR)の舞台として使用され、盛岡競馬場を除いたすべての地方競馬はダートコースしか存在していません。
なぜ、地方競馬はダートが主流かというと、芝コースよりも管理コストが抑えられるからです。
その結果、地方競馬はダート番組が揃い、芝をメインとしている中央競馬との差別化が成功しました。
なお、ダートコースの砂は日本全国各地にある砂が採用されていましたが、近年はオーストラリアの白砂を導入する競馬場も増えてきました。
オーストラリア産の砂のほうが水はけがよくなるようで、中央競馬でも阪神競馬や京都競馬、小倉競馬で約35%ほどブレンドしています。
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芝馬とダート馬それぞれの馬体適正
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競馬のコースは主に芝とダートに分かれており、それぞれの舞台における最強馬を育成することが競馬関係者の使命といえるでしょう。
ただし、デビュー前の馬が芝馬なのか、ダート馬なのか、どのように見極めるのか気になるのではないでしょうか。
実は、競走馬の体型や筋肉の付き方、脚の長さや形を総合的に判断したうえで、芝に適しているのか、それともダート馬なのかおおよそ分かります。
ここからは、芝馬とダート馬の馬体適正の違いについて解説します。
芝の馬はしなやかな馬体の馬が多い
芝で活躍する馬の特徴を一言でいうと、しなやかな馬体の馬が多いです。
そもそも芝コースはダートと比較しても路盤が硬いです。
硬い馬場を走ると走るたびに地面からの反動を受けるため、反動を受け流すには身体が柔軟であることが求められます。
そのため、身体がしなやかな馬は芝向きなのです。
なお、芝コースは短距離からマイル、中距離に長距離など、バリエーションに富んでいますが、実は競走馬の馬体からその馬の距離適正を求めることも可能です。
一般的には距離が短いほど四肢が短くて筋肉量が豊富な馬が優勢で、距離が伸びるにつれて脚が長くて首や胴の長い馬が有利といわれています。
人間に例えると分かりやすいかもしれませんが、100m走の短距離選手は全身に筋肉が付いていますが、何十キロも走るマラソン選手は表面上に筋肉は目立たず、どちらかというと細長い人が多いでしょう。
競走馬も人間と全く同じ理屈で、短距離ほどダッシュが重要なのでパワーが必要、つまり筋肉量が大事ですが、長距離はそこまで瞬発力が要りません。
もちろん、最低限の筋肉量は必要ですが、あまりにも筋肉が付きすぎているとかえってスタミナの浪費となるため、シャープな馬のほうが適しているのです。
ダートの馬は筋肉量が豊富な馬が多い
ダートで活躍する馬は全体的に筋肉量が豊富な馬が多いです。
ダートは芝と違って四肢が砂に深く刺さります。そのため、走るたびにダートから脚を抜く脚抜き動作が欠かせません。
この脚を抜くときにパワーを使うため、筋肉が多くてパワーのある馬のほうがダートに適しているのです。
また、ダート馬は脚が短い馬のほうが適しています。
なぜなら、脚が短い方が脚抜きが楽で、その分回転の速いピッチ走法で少しでも前進可能だからです。
但し、ダートコースの中でも距離が長くなるほどスタミナも問われやすいため、あまりにも筋肉量が豊富だとスタミナを消耗しやすくなります。
筋肉もりもりの馬が必ずしも強い馬というわけではなく、全体のバランスが重要なのが競馬の難しいところでもあり、奥深いところでもあるのです。
どっちがどっち?芝とダートで求められる能力の違い
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日本競馬では芝とダートをメインにレースが開催されていますが、それぞれ求められる能力は異なります。
芝とダート、それぞれどのような能力があると好走できるのか紹介します。
芝コースはスピードが出やすい
芝コースで求められる特徴はスピード能力です。
芝はダートと違って路盤が硬いため、スピードに長けた馬が活躍しやすいです。
そのため、長く脚を使える馬やここ一番で加速できる決め手に長けた馬が芝コースを得意としていますよ。
ただし、芝コースでスピードが活きるのは馬場状態が良い良馬場条件下です。
雨が降って馬場が重たくなったり、開催後期で芝の痛みが露骨に出るような馬場ではスピードは発揮しづらくなり、相対的にパワーやスタミナが重要になります。
ダートコースはパワー(スタミナ)が重要
ダートで求められる能力はパワーやスタミナです。
ダートコースは芝と比較すると馬場が柔らかいため、スピードを活かせません。また、柔らかい馬場で前進するには踏み込みにも力が求められるためパワーが重要なのです。
同時に芝と比較しても歩様に力が必要で、その分体力も消耗しやすいため芝コースよりもスタミナが問われやすくなります。
なお、ダートコースはレースが終了するたびにハロー掛けを行います。
ハロー掛けとは整地のことで、毎回綺麗なコンディションでレースが行われるため、芝コースのように開催時期で傾向が変わることは基本的にありません。
ただし、雨の影響は受けやすく、例えば馬場水分を含んだ重馬場ダートは路盤が硬くなっていわゆる高速ダートになります。
この場合は芝コースの良馬場のようなコンディションとなるため、スピードに長けた馬のほうが活躍しやすくなるのです。
芝は差しか追い込み・ダートは逃げか先行が有利
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競走馬には大きく分けて下記4つの脚質があります。
- 逃げ
- 先行
- 差し
- 追い込み
競走馬の隊列と競馬スタイルを簡潔にまとめたものですが、実は芝コースとダートコースで脚質における成績にも違いが確認できました。
ここからは、芝とダート、それぞれに適した脚質の違いについて解説します。
芝レースは差しや追い込みが届きやすい
一般的に芝コースは差しや追い込みが届きやすくなります。
芝コースは瞬発力や推進力も発揮しやすいことから、スピードに長けた馬が活躍しやすいです。
特に差しや追い込み馬は終盤に備えて脚を溜めるため、時計の出やすい芝コースとの相性はとても良いです。
また、中央競馬の芝コースはダートコースの外側に設けられています。
そのため必然的に最後の直線も長くなりますが、直線が長ければ長いほど最高速度を維持できるので、コース形態から見ても芝レースはダートより時計が出やすくなります。
なお、中央競馬の芝コースは全長さまざまです。
例えば、芝1,600mのレースでも最後の直線が600m以上ある新潟競馬場と約310mしかない中山競馬では平均タイムに違いがあるのは直線の長さに違いがあるからです。
ダートは基本的に逃げや先行馬が有利
ダートコースは逃げや先行馬が有利です。
なぜなら、ダートは芝よりもスピードが出ないため、差しや追い込みといったスピード勝負の馬が力を発揮しづらいです。そのため、相対的に逃げや先行馬のほうが結果を残しがちです。
ただし、芝同様ワンターンコースや最後の直線が長い舞台では差しや追い込み馬は長く脚を活かせます。
また、ほとんどの騎手はダートコースでは前に付けたほうが有利と分かっているので、先行争いが激しくなってハイペースになり、前の馬が終盤でスタミナ切れを起こしたら差しや追い込み馬も台頭します。
展開次第で差しや追い込み馬にもチャンスがあるということは覚えておきたいです。
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芝は良馬場向き・ダートは不良馬場向き
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競馬は屋外で開催されるレースなので、天気の影響を受けやすく、基本的には雨が降ろうが風が吹こうがレースは開催されます。
そして、最新の馬場状態は下記の漢字を使って表しています。
- 良
- 稍重
- 重
- 不良
良馬場ほど馬場が乾いており、不良馬場に近づくにつれて馬場水分が多く含まれている状態、言い方を変えると雨の影響を受けていると思ってください。
どちらも表記は同じですが、芝とダートでは傾向にも違いがありました。
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結論からいうと芝コースは良馬場ほど時計が出やすく、ダートコースは不良馬場ほど時計が出やすいです。
どうして芝コースは良馬場のほうが時計が出るかというと、シンプルに良馬場ほど馬場が硬くて推進力を維持しやすいからです。
逆に、不良馬場になればなるほど時計が出にくい理由は、雨で馬場が柔らかくなることで踏み込みの際に力が入り、スピードが維持しづらくなります。
また、雨で濡れた芝コースは滑りやすいです。
滑るということは転倒する恐れもあるため、スピードが乗りにくくなるのです。
ダートコースの場合は不良馬場ほど時計が出やすいです。
そもそも、良馬場ダートは砂地が柔らかくて走るたびに脚が砂に刺さります。
ところが、ダートは雨が降ると馬場が硬くります。特に重馬場以下になると波打ち際の海岸のように馬場が締まるのです。
そのため、芝コースの良馬場のような推進力を得ることができ、スピードトラックになります。
なお、不良馬場も過去のレースレコードの多くが出ていることから時計が出やすいです。
あまりに土砂降りの雨が降って水田のようにぬかるむようでしたら、良馬場以上にかかるようになるため、このあたりは当日の雨量を見ながら判断しましょう。
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ダート馬が芝で勝つことがある?
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なお、ダート馬が芝レースで勝つ場合が稀にあります。
ダート成績があまり目立たない馬が心機一転を図って芝にチャレンジするのですが、基本的に好走はあまり多くありません。
やはり、芝とダートでは求められる適正が異なるため、よっぽど天候の影響を受けてダート向きの馬場にならない限り、好走は厳しいのでしょう。
また、日本の芝馬はダートと比較してもハイレベルなので、ポテンシャル面でも好走は容易ではないのです。
芝とダートはどっちが荒れるのか
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今回は芝とダートの違いや求められる適正をカテゴリーごとにまとめました。
今回の記事を端的にまとめると、芝コースはスピードが出やすく、ダートはパワーとスタミナに長けた馬が活躍しやすいということです。
そして、芝は不良馬場になるほど時計が出にくく、ダートは逆に時計が出やすくなると覚えてもらえたら良いです。
最後に、芝とダートはどちらが荒れやすいかというと、全体的には芝のほうが高配当は出やすくなっています。
なぜなら、芝はダート以上に馬場傾向が読みづらいため、好走するための適正が見抜きにくいからです。
特に開幕週の土曜日の芝レースは直近の参考データがないため、予想しづらいです。
ただし、荒れる要素は出走馬同士の能力の差が大きく影響しているため、芝でも固く決まることは珍しくありませんし、ダートで高配当が飛び出るケースも多々あります。
当日のオッズを見ながら荒れるかどうか見極めたほうが良いでしょう。
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