競馬の合成オッズをご存じでしょうか。
合成オッズは多点買いの予想で活用される買い方で、長期的な回収率向上を考える際、役立つ予想方法といえるでしょう。
しかしながら、合成オッズの名前を知っていたとしても具体的な合成オッズの活かし方や計算方法について、あまり良く分からないという方もいるはずです。
そこで、当記事では合成オッズの基本的な情報や計算方法、予想方法、さらに合成オッズの計算サイトやソフトを紹介します。
合成オッズについて興味のある方、合成オッズを駆使して馬券予想を行いたい方はぜひ参考にしてください。
競馬の合成オッズとは?
冒頭でも少し触れましたが、競馬の合成オッズとは、多点買いで使用される競馬予想の一種で、上手く活用することで長期的な収支向上に活かすことができます。
最初に、合成オッズがどのような買い方なのか、合成オッズの基本的な情報について解説します。
合成オッズとは多点買いを1点買いに置き換えたオッズのこと
合成オッズとは、多点買いにおいて異なるオッズの馬券を購入した場合に、全ての買い目をひとつの数値として表したものです。
言い換えれば、多点買いを1点買いに置き換えたオッズのことをいいます。
そもそも、馬連や三連複、三連単といった券種を1点買いで予想する方はほとんどいません。なぜなら、組み合わせ数が多すぎるため、1点あたりの的中率が著しく低いからです。
そのため、的中率が低い券種は多点買いで的中率を高めながら高配当を狙う買い方が一般的です。しかし、買い目ごとにオッズは異なります。
例えば、投資金額300円で下記のオッズを100円ずつ購入したとします。
- オッズ2.0倍
- オッズ5.0倍
- オッズ20.0倍
オッズ5.0倍と20.0倍の組み合わせが来た場合は黒字となりますが、オッズ2.0倍の馬が来た場合、投資金額が300円なので200円の払戻を得たとしてもマイナス100円の赤字となってしまいます。
このように、オッズと1点あたりの購入金額、そして1つのレースの馬券購入総額によっては、的中したとしてもマイナス収支になってしまうのが競馬の難しいところです。
しかし、合成オッズを用いれば、選択したすべての買い目をひとつの数値で把握できるため、複雑さを回避することができます。
合成オッズは払戻を均等にできる
合成オッズを使うことで、複数の組み合わせの払戻をほぼ等しくすることができます。
競馬の多点買いでは様々なオッズの馬券を組み合わせるため、どの馬券が的中するかによって払戻金額が大きく変動してしまいます。特に、低オッズの馬券が的中した場合には、払戻金額が投資金額を下回る「トリガミ」と呼ばれるマイナス収支になってしまう可能性も少なくありません。
しかし、合成オッズは選択した複数の買い目全体を1点買いであるように計算し、数値化します。これにより、多点買いでありながら、どの組み合わせが的中してもほぼ同じ金額の払戻金が得られるようになります。
つまり、合成オッズを用いることで、多点買いにおける払戻金のブレを最小限に抑え、安定した収支を目指すことができるのです。
特定の組み合わせが的中した際に、大きな損失を出してしまうリスクを軽減し、より計画的に、そして安心して馬券を購入することができるでしょう。

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合成オッズはトリガミを避けることも可能
合成オッズを活用することで、トリガミを回避することもできます。
トリガミとは、的中したものの、払戻金が投資金額を下回ってしまう状態を指します。せっかく予想が的中したのに、結果がマイナスでは喜びも半減し、収支面でも良くありません。
しかし、合成オッズは多点買いした複数の組み合わせを1点買いであるかのように数値化します。これにより、多点買い全体の期待値やオッズを一目で把握することができます。
例えば、合成オッズを計算した結果が5.5倍だったとしましょう。これは、多点買い全体で5.5倍の馬券を購入したのと同じ意味を持ちます。つまり、期待値5.5倍の組み合わせを5点購入した場合、どれかひとつでも馬券が的中すれば、確実に投資額を上回る払戻金が得られるため、トリガミを回避できるのです。
さらに、合成オッズを求めることで、事前にマイナス収支となる組み合わせを把握することも可能です。これにより、リスクの高い買い方を避け、より堅実な馬券予想を行うことができます。
全体のオッズの期待値を予測することは、競馬で収支を上げる上で基本的なテクニックとなります。合成オッズを活用することで、より計画的に収支向上を考えることができるでしょう。
合成オッズは他の券種と組み合わせることはできない
合成オッズは多点買いを1点買いで購入するように数値化したものなので、収支を予測しやすい便利な買い方です。
ただし、合成オッズは同じ券種の多点買い時しか活かせません。
なぜなら、券種ごとに的中パターンが異なるからです。
例えば、三連複と三連単の馬券を購入すると、三連複馬券のみ的中するパターンが発生します。異なる券種の組み合わせはどうしても的中パターンが複雑になりがちなので、全てのパターンを考慮したうえで合成オッズを求めることが難しくなります。
単勝と複勝を合体させた単複馬券や、ひとつのレースで三連複や三連単など、複数の券種を組み合わせた合成オッズは求めることができない点は覚えておきたいです。

競馬の合成オッズの計算方法
競馬の多点買いにおいて、合成オッズは全体の期待値を把握するために不可欠なツールといえるでしょう。合成オッズは、以下の計算式で求めることができます。
1÷(1÷オッズA+1÷オッズB…)
※…は組み合わせの数だけ増えます。
この計算式において、「オッズA」や「オッズB」は、購入する各馬券のオッズを示しています。例えば、三連複で下記の3つの買い目を購入した場合を考えてみましょう。
買い目 | オッズ |
---|---|
A | 6.5倍 |
B | 24.0倍 |
C | 51.0倍 |
これら3つのオッズに上記の計算式を当てはめた場合の計算式は下記の通りです。
1÷(1÷6.5+1÷24.0+1÷51.0)
=1÷(0.153+0.041+0.019)
=1÷0.213
=4.69(少数第2位以下は切り捨て)
=4.7
合成オッズは約4.7倍となりました。つまり、この3つの買い目を組み合わせた場合の期待値は、4.7倍の馬券を1点買いするのとほぼ同じであるといえます。
次に、算出した合成オッズを用いて、各買い目の払戻を均等にする方法を解説します。払戻金を均等にするための計算式は下記の通りです。
馬券投資総金額×合成オッズ÷買い目のオッズ
上記の例で求めた合成オッズは4.7倍でした。
馬券投資総金額が1万円だった場合、各買い目の払戻金は以下のようになります。
買い目 | 計算式 | 10円単位を切り捨てた場合の金額 | 払戻金額 |
---|---|---|---|
A | 10,000×4.7÷6.5=7,230円 | 7,200円 | 7,200×6.5=46,800円 |
B | 10,000×4.7÷1,958円 | 1,900円 | 1,900×24.0=45,600円 |
C | 10,000×4.7÷921円 | 900円 | 900×51.0=45,900円 |
若干の差はあるものの、ほとんど等しい数値となりました。このように、合成オッズを活用することで、どの買い目が的中してもほぼ均等な払戻金を得ることが可能になります。
なお、実際の払戻金は10円単位で切り捨てられるため、計算結果と実際の払戻金には若干の誤差が生じます。例えば、計算結果が6,789円の場合、1の位は切り捨てられるため、実質的な想定払戻金額は6,780円です。
競馬の合成オッズの目安とは?
競馬の合成オッズは多点買いの際に、各買い目の払戻期待値を求めることができる便利な指標です。
しかし、どれくらいの値が適しているのか、疑問に思う方も多いでしょう。
そこで、ここからは合成オッズの目安となる考え方や、具体的にどれほどの数値があればよいか解説します。
目標金額と購入金額で決まる
合成オッズの目安は、目標とする払戻金額と購入金額によって決まります。
競馬ファンはそれぞれ異なる資金計画と目標払戻金額を持っています。したがって、その人がどれくらいの払戻金を望み、そのためにどれだけの購入資金を投入できるかによって、合成オッズの最適な目安は変わるのです。
例えば、あるレースに1万円を投資し、3万円の払戻金額を目標とする場合、合成オッズが3.0倍以上の組み合わせを選ぶことで、的中時に目標金額に近い払戻金を期待できます。
このように、目標金額と購入金額が人によって異なる以上、合成オッズの目安は人それぞれといえます。
1.1倍以上あればトリガミは回避できる
合成オッズを求める際は、1.1倍以上になるような組み合わせを探しましょう。
そもそも合成オッズは多点買いの組み合わせをひとつとして見る予想方法です。例えば、合成オッズが1.1倍は1点買いのオッズが1.1倍であることと同じ意味なので、馬券が的中した場合は少額でもプラスになります。
もちろん、高いリターンを得る場合は合成オッズの数値が高いほうが良いですが、固いレースだとどうしても配当は低くなりがちです。
そのようなレースで堅実に収支を上げたいのであれば、最低でも1.1倍以上の合成オッズになるような組み合わせを求めることが大切なのです。
1.0倍を下回る合成オッズは買えない
合成オッズを計算する上で注意すべき点は、1.0倍を下回るケースです。
合成オッズが1.0倍以下になるということは、いずれかの買い目のオッズが1.0倍以下であることと同じ意味を持ちます。つまり、仮に的中したとしても払戻金が投資金額を下回り、トリガミになってしまうということです。
なお、合成オッズは低オッズの組み合わせを含めたり、買い目が多くなる低くなります。
例えば、オッズ1.5倍と1.8倍、2.0倍の3つの合成オッズは約0.58倍です。
この組み合わせを1,000円ずつ購入した場合、払戻金額の期待値は580円前後となるので、どの組み合わせが的中したとしてもトリガミが確定します。
ひとつのレースの投資できる金額や、求める払戻金額が人によって異なる以上、合成オッズの目安を一概に定めることはできませんが、合成オッズが1.0倍を下回る組み合わせは確実にトリガミになるため絶対に回避しましょう。

競馬の合成オッズを自動計算してくれるサイトとアプリ3選
合成オッズは多点買いの期待値を数値化するので、確実な収支向上で役立ちます。
しかしながら、競馬は一日に多数のレースが開催される上、10~15分間隔で次々にレースが発走するため、ひとつずつ電卓で合成オッズを計算していては時間が足りません。
そこで便利なのが、合成オッズを自動で計算するウェブサイトやスマートフォンアプリです。
ここからは、合成オッズを自動計算してくれるおすすめサイトやアプリを3つ紹介します。
合成オッズ計算機
合成オッズ計算機は合成オッズの計算に特化したサイトです。
必須項目に好きなだけオッズを入力し、計算タブをクリック(タップ)するだけで瞬時に合成オッズが求められます。
また、任意で入力できる資金目安の欄に、馬券購入費の総額を入力すると、資金分配も表示されます。
パソコンにもスマートフォンにも対応しているサイトなので、多点買いで均一の払戻を頻繁に求める場合はブックマークしたいサイトです。
合成オッズ計算-オリジナルモード-
合成オッズ計算-オリジナルモード-はオッズと投資額を入力することで、平均払戻金額が求められるサイトです。
オッズごとに対象にするかどうかもチェックできるため、異なる組み合わせの合成オッズを簡単に求めることも可能です。
購入時に四捨五入したり、切り捨てや切り上げも選択できるので、好みの合成オッズや平均値を求める上で役立つでしょう。
競馬点数で予想 馬券点数のオッズを計算して購入する電卓
スマートフォンアプリの「競馬点数で予想 馬券点数のオッズを計算して購入する電卓」でも、馬券のオッズを計算して合成オッズを求めることができます。
競馬点数で予想 馬券点数のオッズを計算して購入する電卓、点数計算に特化したアプリで、ページ下部にある合成オッズのカテゴリーから合成オッズを計算できます。
最大8つまでの合成オッズを求めることができるため、スマートフォンで手軽に合成オッズを計算したい場合に役立つでしょう。
合成オッズ以外にもボックスやフォーメーション、流し、マルチといった多点買いの買い目を簡単に求める機能も搭載されており、様々な多点買いを活用する方にも使いやすいアプリです。
合成オッズは求められますが、各買い目の平均払戻金額を自動で計算する機能はありません。平均払戻金額も自動で計算したい場合は、他のツールの使用をおすすめします。

合成オッズを把握して競馬をもっと楽しもう!
合成オッズは、多点買いにおけるオッズの期待値を1点買いで購入した時のように算出するものです。
合成オッズを使うことで、多点買いの期待値を予測するのに役立ちます。
また、合成オッズを利用することで、多点買いで購入した際のそれぞれの払戻金額を均等に近づけることができますし、同時にトリガミを回避することも可能です。
今回は、合成オッズの基本的な情報に加え、計算方法や目安となる数値、さらには合成オッズを自動計算してくれるウェブサイトやスマートフォンを紹介しました。
当記事で紹介した合成オッズを有効に活用し、馬券収支の向上に役立ててください!

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