競馬で勝つには馬の能力だけではなく騎手の力量も重要視されます。
騎手は競走馬に合図を送ったり位置をコントロールすることでレースに勝つための司令塔の役割を担っています。
競走馬だけではレースで勝つことは難しいため、騎手が占める割合も大きいのです。
しかしながら、レースによっては馬の力だけで勝ち切っているケースもありますし、そういった場合は騎手は特に関係がないように感じます。
果たして、本当にそうなのでしょうか?
その疑問に応えるべく、本記事では騎手の役割や馬と騎手、どちらを重視すればいいのか解説します。
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競馬において騎手の実力は関係ない?
「レースの主役は競走馬だから騎手の腕は必要ない」
そう考えられる方は少なくありません。
しかし、もしも本当に騎手の腕が必要なければ、騎手は毎日厳しいトレーニングを行わなくても良いはずです。
本当に騎手の腕は必要ないのか、本章では競馬における騎手の必要性について紹介します。
騎手の腕はレースに大きな影響を及ぼす
結論からいうと、騎手の腕はレースに大きな影響を及ぼします。
そもそも競馬における騎手の役割とは、騎乗する競走馬をどのように勝利に導くかコントロールすることです。
例えば、
- 競走馬が一番力を発揮できるポジションで競馬を行う
- もっとも力を発揮するタイミングで全力を出すよう促す
など、競走馬にやる気を出させるのも騎手の仕事なのです。
賢い競走馬なら騎手の指示がなくても力を発揮できますが、ほとんどの競走馬は騎手の指示がなければベストを尽くせません。
勝つための司令塔として、騎手は存在は欠かせないのです。
騎手の腕で結果が変わることも珍しくない
騎手は競走馬にとっての司令塔ですが、当然ながら騎手の腕次第でレース結果が変わることも少なくありません。
例えば、他馬より能力が劣る馬でも、騎手がうまくレースを運んで出し切りやすい展開を作れば上位争いできる場合があります。
逆に、強い馬でも他の馬に包まれて抜け出せなかったら凡走してしまいます。
このような要素は騎手のポジショニングが結果に反映されており、騎手の腕の見せ所といえるでしょう。
レース終盤でラストスパートを仕掛けるときも、騎手の手腕が試されます。
あまりに早い位置からスパートを仕掛けてしまったらゴールまでにスタミナが尽きて凡走してしまいますが、逆に、仕掛けどころが遅すぎたらトップスピードに乗る前に決着つく場合もあります。
競走馬がもっとも力を発揮できるようにコントロールすることも騎手の大事な役割なのです。
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競馬は騎手と馬どっちが大切?
前章では、競馬における騎手の役割について解説しました。
騎手の仕事は、競走馬の能力を引き出して、いかにレースで勝つかコントロールすることです。
しかしながら、どんなに強い騎手が騎乗しても馬に実力がなければ凡走する可能性もあります。
果たして、レースで勝つうえで馬と騎手、どっちが大切なのでしょうか?
詳細をまとめました。
馬の実力のほうが大事
馬と騎手、どちらがレースで勝つうえで大切なのか。
結論からいうと、競走馬の実力のほうが大切です。
そもそも、騎手の仕事というのは競走馬をレースで勝つように導くことです。
いうならば、競走馬のサポート役といっても過言ではありません。
当然ながら、一流ジョッキーが一流の競走馬に騎乗したら、その能力を最大限に引き出すことができるので鬼に金棒です。
ところが、能力の低い馬は、いくら一流ジョッキーが騎乗して能力を引き出したとしても、限界があります。
例えば、現在もトップジョッキーとして活躍している武豊騎手はかつて、高知競馬に所属していたハルウララに騎乗したことがあります。
ハルウララは生涯成績113戦0勝で、「勝てない馬」の代名詞的存在として認知されていましたが、レジェンド武豊騎手が騎乗することで1番人気に支持されました。
しかし、結果は10着に敗れてしまい、人気を裏切る結果となったのです。
実力のある騎手が騎乗しても、競走馬のポテンシャルが低かったら勝ち切れないのです。
逆に、騎手の騎乗が特別上手じゃなくても、競走馬の地力だけで圧倒するレースもあります。
例えば、名牝アーモンドアイが初重賞を成し遂げた2018年のシンザン記念は雨の稍重、しかも当時は主戦のルメール騎手が騎乗停止だったため、戸崎圭太騎手が代打で騎乗しました。
稍重の馬場は未経験でしたが、スタートで出遅れたものの、直線では大外から一気に仕掛け、他馬をごぼう抜きして圧勝しています。
2~3着に入線したツヅミモンとカシアスが先頭と2番手で競馬していたので、完全に前有利の展開でした。
しかし、その中で1頭だけ最後方から競馬しつつ、圧勝できたのはアーモンドアイの力量があったからで、競走馬の実力が結果に反映された形となったのです。
このように、騎手よりも競走馬の能力のほうがレース結果に反映されることが多いので、競走馬の戦績を見ながら予想するのが競馬予想の基本となります。
騎手の腕も決して小さくない
競馬で勝つには一般的に「馬の力7割、騎手の力3割」といわれています。
勝つためには競走馬の力が騎手の腕より大事という格言ですが、見方を変えれば騎手の力量も3割必要と捉えることもできます。
過去のレースを見ても、騎手の好騎乗がレース結果に反映されたケースは珍しくありません。
例えば、2023年の有馬記念で2着に入線したスターズオンアースは、過去好走事例が乏しい8枠から発走しました。
有馬記念の舞台である中山芝2,500mはスタート地点から最初のコーナーまで200mもないので、大外になればなるほど他馬の後ろになりやすく、好走は難しいのです。
ところが、スターズオンアースに騎乗したルメールはゲートをうまく飛び出したことで、思い切って先行集団に取りつきました。
結果的にこの選択が功を奏し、2着に入線したのです。
スターズオンアースはこれまで差しや追い込みで好走していたので、他の騎手が騎乗していたら控えたかもしれません。
しかし名手ルメール騎手は競走馬の走りたいように走らせ、その結果有馬記念という大舞台で2着入りを果たしました。
まさに、騎手の腕が光った一戦といえるでしょう。
競馬で勝つには競走馬の実力が大前提ですが、レースで競走馬の能力を最大限に引き出す騎手の存在も大きいのです。
競馬で馬の能力が影響しやすい2つのレース
日本の競馬は1日に10レース以上開催されており、さまざまな階級やコースを舞台にレースが行われています。
実は、階級やコースによって競走馬の能力が影響しやすい舞台があります。
競走馬の能力が影響しやすいレースは下記の通りです。
- 新馬戦や未勝利戦など、クラス階級が低いレース
- 短距離戦
新馬戦や未勝利戦というのは、出走馬同士の能力の差が大きくなりやすいです。
そもそも、日本競馬は勝ち抜き制を導入しており、レースで結果を残して賞金を加算すると、獲得賞金以下のレースに出場できなくなります。
つまり、レースで結果を残せば残すほど、次走以降は強い馬同士でレースする仕組みとなっています。
もしもこのルールがなければ強い馬が弱い馬だらけのレースで無双できてしまうので、当然の措置といえるでしょう。
しかしながら、新馬戦や未勝利戦は、獲得賞金が足りない馬が多数そろうので、賞金不足の強い馬と弱い馬が同じ舞台でレースする可能性が高いです。
このようなレースでは、騎手の手腕がなくても競走馬の地力だけで勝ち切ることも多々見られるので競走馬の能力が影響しやすいレースといえます。
それ以外のレースで競走馬の能力が影響しやすいレースに短距離戦が挙げられます。
短距離戦は1,400m以下のレース全般を指し、1分強で勝敗が決まります。
短距離戦においてもっとも重要なのがゲートで、どれだけ強い馬でもゲートが苦手で後手を踏んでしまったらいくら強い騎手が騎乗していたとしても、巻き返すのは至難です。
ゲートの上手さも競走馬の能力を占める要素のひとつなので、短距離戦は騎手の腕よりも競走馬の能力のほうがレース結果に反映されやすいのです。
競馬の長距離レースは騎手の実力が影響しやすい
競走馬の実力が影響しやすいレースもあれば、騎手の実力が影響しやすいレースもあります。
その代表的な例が、2,500m以上で行われる長距離レースです。
長距離レースは人間におけるマラソンと同じように、序盤から全力を尽くすとすぐにスタミナが尽きてしまい、レースになりません。
長距離レースで好走するにはいかにスタミナを温存しつつ、ここ一番でベストを尽くせることができるかが大事です。
そこで重要なのが、騎手の力量です。
すべての競走馬は長距離レースにおけるペース配分のことを全く理解していないため、騎手がペースをコントロールするしかありません。
また、長距離レースは一年を通しても開催数が少ない事から、キャリアの多い騎手のほうが結果を残しています。
一流騎手のルメール騎手やレジェンド武豊騎手、引退しましたが福永祐一騎手や蛯名正義騎手は、長距離レースのペース配分が上手で、好成績を残していました。
半面、リーディング上位騎手の常連である川田将雅騎手は意外にも長距離レースの実績が乏しく、長距離は苦手としています。
長距離レースは馬の能力と同じくらい、騎手の腕も試されるレースといえるでしょう。
結論:競馬に騎手の実力は関係ある!
今回は、競馬の騎手の力量がレースにどれほど影響を及ぼすのかまとめました。
文中でも記載していますが、競馬で勝つには騎手の腕よりも競走馬の実力のほうが大切です。
なぜなら、騎手の主な仕事は競走馬の能力を引き出すことなので、いくら騎手が優秀でも馬の能力が乏しければ引き出せる能力にも限界があるからです。
しかしながら、ポジショニングや仕掛けどころ次第では、格上の馬にも勝てる場合があり、騎乗している馬がベストを尽くせるように誘導することが騎手の腕の見せ所といえるでしょう。
競走馬の能力のほうがレースで勝つうえで大切ですが、騎手の腕も蔑ろにしてはいけません。
競走馬も騎手も、どちらも実力が伴うことではじめて大舞台でも結果を残せるようになるのです。
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