札幌競馬場は北海道札幌市にある中央競馬の競馬場です。
競馬場の歴史は古く、1907年に桑園駅付近の現在の場所に開設されました。
競馬開催中は北海道民だけでなく、全国から多くのファンが集まってレースを盛り上げます。
また開催されていない時は「パークウインズ札幌」として場内を開放したり、2006年度からは馬のセリにあたる「トレーニングセール」の会場としても利用されているのです。
そんな札幌競馬場は予想が難しいと言われています。
芝の種類や独特のコース形態が影響しているようですが、それはどのようなことなのでしょうか。
札幌競馬場のコース特徴や傾向を調査し、攻略法を紹介します。
札幌競馬場の特徴
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札幌競馬場はアクセスが良く、羽田を朝早く飛び立てば第1レースから楽しめます。
北海道は食べ物が何でも美味しいので、旅とセットにして訪れてみるのもいいですね。
札幌競馬場の特徴を紹介します。
平坦で丸い競馬場
レースを見ているだけでは気づきませんが、札幌競馬場の馬場は丸くなっています。
大方の競馬場は横に長い楕円形であるのに対し、札幌競馬場は楕円の割合が小さく、全体的にまるっこいのです。
そのため、スタンド前や向正面の直線が短いという特徴があります。
4つのコーナーはゆるやかで大きく、各馬はあまりスピードを落とすことなく進入できそうです。
1周距離が1640.9m(芝Aコース)とローカル競馬場では大きな方なのに、直線距離は266.1mと短くなっています。
これは直線が一番短い函館競馬場の262.1mとほとんど変わらず、第4コーナーの大きなカーブを回ったらゴールはすごそこといった感じです。
さらに高低差のほぼない平坦なコース形態のため、逃げ・先行馬が有利な馬場と言えます。
馬が近い!ダッグアウトパドックとはなみち
札幌競馬場はファンサービスにも力を入れています。
まずはダッグアウトパドックという、馬の脚元を見ることができるパドックに注目です。
これは通常のパドックからさらに下に降りられるエリアを作ったもので、馬の脚の運びを間近で見ることができます。
コズミ(馬の筋肉痛や筋炎)でおかしな歩き方をしている馬をチェックするのに便利です。
何よりいつもと違う視点から馬を見るのは、馬券の予想を抜きにして楽しいですよ。
一方はなみちはパドックから馬場へ行く途中のスペースのことで、そこを通る馬と騎手を見ることができます。
競馬ファンとしては、パドックと返し馬の間でも状態を確認できるのは嬉しいですね。
開催は夏の14日間のみ
開催は夏の14日間しかありません。
函館競馬場からバトンを受けて、夏の北海道シリーズが続いていくのです。
この期間は新潟や中京などが同時に行われていて、札幌競馬場は第3場の扱いになっています。
しかし中盤で行われる札幌記念(GⅡ)は、夏開催で唯一のGⅡ戦のため主場より注目度が高いです。
5つの重賞レース(GⅡ・GⅢ)がある
札幌競馬場はGⅡ戦1つ・GⅢ戦4つの合計5つの重賞レースがありますが、それらを開催順に一覧にしてみましょう。
レース名 | クラス | コース |
クイーンステークス | GⅢ | 芝1800m |
エルムステークス | GⅢ | ダート1700m |
札幌記念 | GⅡ | 芝2000m |
キーンランドカップ | GⅢ | 芝1200m |
札幌2歳ステークス | GⅢ | 芝1800m |
このように芝・ダート・距離・馬齢が満遍なく取り上げられていて、どのレースも注目度が高く目が離せません。
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札幌競馬場における芝の種類と特徴
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札幌競馬の予想を難しくしている一つに、芝の種類の違いが考えられます。
北海道以外の競馬場は野芝やオーバーシードのため、競馬ファンはその馬場での予想に慣れているのが要因の一つです。
札幌競馬場における芝の種類と特徴を見ていきます。
芝の種類は洋芝3種の混生
札幌競馬場の芝の種類は洋芝で、ケンタッキーブルーグラス・トールフェスク・ペレニアルライグラスの混生です。
洋芝は寒さに強いという特徴があり、寒冷地の北海道に合います。
そして保水性は高いけど耐久性が弱いとされていて、開催後半は馬場が荒れて予想をさらに難しくしていることも有名です。
また走破タイムは、野芝やオーバーシードよりも若干遅くなる傾向があります。
アーモンドアイが東京競馬場で出した、芝2400mの世界レコードは2分20秒6です。
ここまでではないとしても、各馬は2分23秒〜24秒台くらいで走れています。
一方フランスで行われる凱旋門賞は、同じ2400mですが2分25秒〜28秒くらいのタイムです。
コース形態などがあり一概に比較はできませんが、洋芝の方が時計が掛かるというのは間違いありませんね。
水はけが良いのが特徴
札幌競馬場の洋芝は水はけが良いのも特徴の一つです。
そのため雨が降っても馬場状態が重になることは少なく、不良は1990年の開場以来一度も記録がありません。
同じ洋芝の函館競馬場は雨の影響を受けますが、札幌競馬場はそうではないことを覚えておきましょう。
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札幌競馬場のコース替わりの特徴
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各競馬場の芝コースは、なるべく馬場状態を一定に保つようにコース替わりを行っています。
札幌競馬場ではABC3つのコースがあるので、それぞれの特徴を見ていきましょう。
Aコースの特徴は逃げ馬が有利
札幌競馬場のAコースは柵を最も内側に設置したもので、1周距離1640.9m・幅員25〜27m・直線距離266.1mです。
開幕週はきれいな芝が生え揃い、どの脚質の馬も走りやすくなっています。
特に逃げ馬が先手を取ると、丸く平坦なコース形態も手伝って、そのままゴールするシーンが多いです。
開幕週は内枠の逃げ馬が狙い目ですが、人気になるためオッズを確認しながら馬券を買いましょう。
Bコースはあまり使われていない
Bコースは、14日制となった札幌競馬場ではあまり使われていません。
これはBコースが、Aコースの外側1.5mのところに仮柵を設置するのが要因と考えられます。
他の競馬場のBコースはAコースより3〜4m外に作られるので、1.5mの差は少し短い印象です。
そのため開催前半の8日間をAコースで、そしてBコースを飛び越して後半の6日間はCコースで開催されます。
Cコースはまくれる馬に注意
Aコースから3m外に設置されるのがCコースです。
開催後半であることと洋芝の耐久性の弱さのため、コース替えをしても馬場の内側は荒れています。
そこでCコースは向正面で早めに仕掛け、外を回せる馬が力を発揮できるチャンスです。
Cコースが使用される時期は、スピードよりもパワー重視で予想するようにしましょう。
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札幌競馬場における芝コースの特徴
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札幌競馬場の芝コースは、1周1640.9m・直線距離266.1m・高低差0.7m(いずれもAコース使用時)の右回りです。
6つの距離が設定されているので、それぞれの特徴を見ていきましょう。
芝1000mは使用されていない
芝1000mは2021年以降使用されていません。
ゆるやかなカーブと平坦なコースから、おもしろいスピード競馬が見られそうなのですが残念ですね。
芝1200mは逃げ・先行馬が有利
第2コーナーのポケット地点から発走するのが芝1200m戦です。
最初のカーブまで距離があることから、枠による有利不利はありません。
短い直線やゆるやかなカーブでスピードが落ちないため、逃げ・先行馬が有利な傾向です。
芝1500mは内枠の逃げ馬が狙い目
芝1500m戦は第1コーナーのポケット地点からスタートし、すぐに第2コーナーのカーブを迎えます。
そのため外枠の馬は距離のロスが大きく、内枠の逃げ馬がスムーズに前に行けるため有利です。
芝1800mは第1コーナーまで短い
スタンド前からスタートするのが芝1800m戦です。
札幌競馬場はスタンド前と向正面の距離が短いという特徴から、スタートするとすぐに第1コーナーを迎えます。
そのため1500m戦同様に内枠に入った逃げ馬が有利で、カーブを利用して楽に先手を取ることが可能です。
芝2000mは距離以上にスタミナが必要
芝2000m戦は第4コーナーからスタートします。
第1コーナーまでは距離があり、外枠でも先行できるため枠の有利不利はありません。
高低差は0.7mと小さいですが洋芝のため、各馬はじわじわと体力を奪われていきます。
そのため距離以上にスタミナが必要で、2200m以上で好走実績のある馬がおすすめです。
芝2600mは1周半のタフなコース
向正面からスタートする芝2600m戦は、洋芝のコースを1周半するタフなコースです。
スタミナとパワーが必要なことはもちろんですが、コーナーを6回も通過するため器用さも大事になります。
先行して自分のペースに落とし、コーナーをスムーズに回れるような馬が勝利に近いです。
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札幌競馬場におけるダートコースの特徴
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札幌競馬場のダートコースは、1周1487m・直線距離264.3m・高低差0.9mの右回りです。
3つの距離が設定されているので、それぞれの特徴を見ていきましょう。
ダート1000mはスタートダッシュが重要
ダート1000m戦は向正面からスタートし、ワンターンのコースです。
距離が短いためスタートダッシュの良し悪しでレースが決まることが多く、出遅れるとほぼ取り返せません。
スタートの上手な馬を中心にして、馬券を検討しましょう。
ダート1700mはペースが落ちない
正面スタンド前から発走し、1周するのがダート1700m戦です。
コーナーがゆるくて大きいため、スピードがあまり落ちない傾向にあります。
そのため先行馬が有利で、差し馬は早めに仕掛けないと届きません。
逃げ・先行馬を軸にしたい距離と言えますね。
ダート2400mは中枠の先行馬が好走する
ダート2400m戦は向正面の中ほどからスタートします。
発走後まもなく第3コーナーのカーブがあるため、長い距離ながらもスタートが大事です。
内枠の馬は外から包まれてしまうことがあるので、中枠に入った先行馬がおすすめとなります。
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札幌競馬場のGⅡ札幌記念の特徴
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札幌競馬場で最も人気のあるレースは、開催中盤で行われるGⅡの札幌記念です。
秋競馬を占う意味でも重要な一戦となるレースですが、どんな特徴があるのかを見ていきましょう。
有力馬が多数出走する
のちにGⅠでも活躍したジャックドールやソダシが優勝しているように、札幌記念は多くの有力馬が出走してきます。
有力馬の出走がなぜ多いのかは、札幌競馬場が北海道にあるからというのが理由の一つです。
春シーズンに活躍した馬は夏は休養に充てることが多く、ほとんどが涼しい北海道に放牧されます。
そしてたっぷりと英気を養った有力馬は、秋シーズンへの試走も兼ねて札幌記念に出走するのです。
また他のGⅡ戦と比べて賞金が高く、定量戦であることも出走の理由になっています。
休養明けでいきなり59kgなどの重量にならないため、怪我の可能性を最小限に抑えることができるのです。
ファンは春の活躍馬を一早く見ることができるので、秋に向けて期待が高まり、得をした気分になりますね。
1番人気馬が勝てない
札幌記念の大きな特徴の一つに、1番人気馬が勝てないということがあります。
2015年から2024年までの10年間で、1番人気馬は1度も勝っていないのです。
これは休養明けの馬が多く、まだ馬が重い状態であることが要因の一つになっています。
どんな実力馬でも本来の調子でなければ、上位に入ることは難しいですよね。
そんなことから札幌記念は、ここを目標に乗り込んでいる力をつけてきた上がり馬が狙い目となります。
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札幌競馬場の攻略法3選
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洋芝で丸いコースの札幌競馬場ですが、どのように予想したらいいのでしょうか。
札幌競馬場の攻略法を3つ紹介します。
逃げ・先行馬が強い
丸いコースでコーナーのカーブがゆるく大きく、そして直線が短いのが札幌競馬場の特徴です。
そのため芝・ダート距離を問わず、逃げ・先行馬が圧倒的に有利となります。
差し馬が勝つためには向正面で早めに仕掛けて、直線前では先頭のすぐ後ろのポジションを取ることが必要です。
札幌競馬場では逃げ・先行馬を軸にして、予想を組み立ててみましょう。
札幌・函館の好走馬が穴をあける
洋芝は野芝に比べて脚をとられ、パワーが必要になります。
そのため野芝やオーバーシードで活躍していた馬も、洋芝の競馬場ではゴール前で止まってしまうことがあるのです。
そこで、洋芝の札幌と函館で好走実績のある馬をおすすめします。
他場で惨敗していても札幌で復活することがあり、その際は高配当が期待できるので楽しみが増えますね。
全国上位騎手は札幌でも勝つ
2024年の札幌競馬場のリーディングジョッキーは武豊騎手でした。
札幌競馬場は横山武史騎手など、全国でも上位の騎手が参戦することが多いです。
そしてそのような騎手は札幌でも強く、勝ち数だけでなく連対率や3着内率も優れた成績になります。
全国上位の騎手が参戦していたら、どんな馬であっても検討してみましょう。
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札幌競馬場の馬場の特徴
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札幌競馬場は洋芝ということで馬場状態のチェックも大事ですが、それはJRAの公式ホームページより確認が可能です。
競馬メニューから馬場情報に入ってみましょう。
そこで芝のクッション値や含水率、使用しているコースが確認できます。
またどのあたりの芝が傷んでいるのか、写真付きで掲載されているので参考にしましょう。
馬場情報はあまり細かく見る必要はありませんが、知っていると予想に活かせていいですよ。
札幌競馬場の特徴と傾向:まとめ
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札幌競馬場の特徴と傾向について解説しました。
直線が短くて丸いコース、洋芝など予想を難しくしている要素が多い競馬場です。
しかしよく分析すれば攻略も可能なので、この記事を参考に研究してみてください。
まずはGⅡで注目されている札幌記念からはじめてみるのもいいですね。
札幌競馬場の特徴と傾向を把握して、精度の高い予想をしていきましょう。
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