門別競馬は北海道で唯一、平地競走が行われている地方競馬場です。
馬産地として有名な日高町にあることもあり、2歳戦が充実していることでも知られています。
門別競馬場は馬の生産者が多く来場するためか、競馬というよりは町の運動会的な雰囲気があります。
またなんでも美味しい北海道らしくグルメにも力が入っていて、バケツに乗せた鍋で焼くオリジナルのジンギスカンは大人気です。
そんな門別競馬はどんな特徴があるのでしょうか。
2歳戦が多く予想が難しそうですが、コースや距離、上手い騎手を手がかりに攻略法が見つかりそうです。
また2023年の落馬事故も気になりますね。
門別競馬のコース特徴と上手い騎手を調査し、攻略法を徹底解説します。
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門別競馬の特徴
皆さんは門別競馬というとどんなイメージを持たれるでしょうか。
各地方競馬場で活躍している馬の実績を見ると、2歳時に門別を走っていたというのをよく目にします。
まずは門別競馬がどんなものなのか、その特徴を見ていきましょう。
開催期間が短い
北海道の冬は長く、毎年多くの雪が降ります。
そのため門別競馬は、4月下旬から11月初旬までの約7ヶ月間しか開催しません。
2023年の開催日数等をまとめると以下のようになります。
開催数 | 開催日数 | 開催期間 | 総レース数 |
15 | 82 | 4/19〜11/9 | 982 |
南関東4競馬の年間開催日数は270日にもなるので、門別競馬との差はすごいですね。
多くの馬に乗れば騎乗技術も向上しますが、門別競馬の騎手たちは必然的に技術向上が難しい状態にあります。
コーナーを回るのが下手という専門家もいて、そんなことが門別競馬の予想を難しくしている一因なのかもしれませんね。
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2歳馬の番組が充実している
門別競馬は2歳馬の番組が充実していて、JRA2歳認定競走が多いのが特徴です。
JRA2歳認定競走はJRAが賞金のほとんどを出していて高額なため、より質の高い馬が門別に集まります。
JRAの馬主が、JRAで所属しきれない馬を門別競馬でデビューさせるのです。
そして2歳時に門別で活躍した馬はJRAや南関東、それ以外の地方競馬に転厩して活躍します。
優秀な2歳馬が転厩しなくても済むように、古馬のレース体系の確立が門別競馬の課題と言えますね。
砂の入れ替えと砂厚について
門別競馬は2023年に全面的に砂を入れ替えました。
ナイターに映えるオーストラリア産の白砂で、水はけが良いのが特徴です。
この白砂は競走中の事故が少なくなる傾向があるようで、船橋競馬や園田競馬など全国的に入れ替えが進行中です。
門別競馬の砂厚は中央競馬や他の地方競馬場が8〜10cm程度に対して、約12〜13cmと深いためよりパワーが必要な馬場となっています。
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門別競馬の距離別コース特徴
門別競馬は内回りと外回りコースがあり、2024年現在、9つの距離でレースが行われています。
それぞれのコース距離は以下の通りです。
コース | 1周距離 | 直線距離 |
外回り | 1600m | 330m |
内回り | 1376m | 218m |
フルゲート16頭、幅員25m、高低差1.54m、広くて直線距離が長いことから差しの利くコースと言えます。
距離別の特徴を見ていきましょう。
1000mは先行有利だが差しも届く
1000m戦は向正面からスタートし、ワンターンでゴールを目指します。
門別競馬で2番目に多く使用されている距離で、そのため騎手がコースを熟知して
いる印象です。
短距離のためスタートダッシュが重要なことは間違いありませんが、最後の直線が長いため意外と差しも決まります。
しかしそれはある程度前に付けている時に限られるので、逃げ・先行馬が有利な距離であることは変わりません。
1100mは馬のポテンシャルが決め手
新馬戦のみで行われるのが1100m戦です。
新馬戦ということもあり、コースというよりは馬のポテンシャルが予想の決め手となります。
血統や調教の状態、さらにパドック・返し馬で総合的に選ぶようにしましょう。
1200mは直線が長い
門別競馬で最もレース数が多いのが1200m戦です。
第2コーナーのポケットからスタートするため、最初の直線が長いのが特徴になります。
逃げ馬はペースを落とす必要がありますが、どの馬も前に行きたいので簡単ではありません。
そのため先行馬の後ろに付けてゆっくりと進み、最後の直線で仕掛ける差し馬が有利な印象です。
過去の実績から、この距離を得意としている馬を狙うのが予想の王道ですね。
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1500mは逃げ・先行が有利
1500m戦は内回りコースを使用します。
最初のコーナーまでの距離が短いこと、コーナーを4回通過することから逃げ・先行馬が有利な印象です。
逃げ馬はオーバーペースに注意して各コーナーを回ると良く、差し馬は第3コーナー前から早めに進出すると逆転の可能性があります。
1600mはコーナーワークの上手な騎手が強い
1600m戦も内回りコースですが、逃げ・先行馬が有利とは限りません。
最初のコーナーまで距離があることで、逃げ馬が簡単に逃げられないからです。
差し馬は先行争いを後ろでじっと見て、第3コーナー前から仕掛けます。
内回りでもこの仕掛けがよく決まる印象で、コーナーワークの上手な騎手と差し馬の組み合わせが狙いどころです。
▼園田競馬の特徴についてはこちらでご確認ください!
1700mは最初のコーナーまでが短い
1700m戦は外回りですが最初のコーナーまでが短いため、逃げ・先行馬が活躍しやすいコースです。
第1・第2コーナーを回ったら引き付けて逃げるのではなく、一気に引き離しに掛かるとそのままゴールすることがあります。
スタミナに自信のある逃げ馬が狙い目です。
1800mは差し馬の仕掛けるタイミングが重要
差し馬の仕掛けるタイミングが難しいのが1800m戦です。
スタート後のペースが上がらず、逃げ・先行馬は比較的楽に第1・第2コーナーを通過します。
差し馬は早めにプレッシャーを掛けにいきますが、自身がバテては意味がありません。
ペースを見極めて仕掛けるタイミングを計れる騎手が、この距離では強いですね。
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2000mは実力通りのレースになりやすい
第4コーナーのポケットから発走するのが2000m戦です。
最初の直線も最後の直線も長く、紛れが少ないのが特徴になります。
実力馬が実力を発揮しやすいコースと言えるので、予想は過去の実績を第一に考えるのが有効です。
またスタミナがあった方が良いので、1800m戦以上で勝ったことのある馬を探しましょう。
2600mはスタミナのある馬を狙おう
2600m戦はほとんど行われないので、あまり重視する必要はありません。
脚質や枠番よりも、スタミナのある馬を狙いましょう。
またリピーターが活躍する傾向なので、この距離を勝ったことのある馬を中心にするといいですね。
▼大井競馬の特徴や傾向も知っておきましょう!
門別競馬の上手い騎手!リーディングTOP5
門別競馬には2024年の時点で、20名の騎手が在籍しています。
開催数が少ないこともあり騎乗数も少なく、2023年に最も多く乗ったのが小野騎手の772回です。
大井の笹川騎手は南関東だけで1556回ですから、門別の各騎手は約半分の騎乗回数となります。
その中でも上手い騎手を探すことは、予想の精度を上げるためにも大事ですね。
門別競馬の2023年リーディングベスト5を見ていきます。
1位:落合玄太
落合玄太騎手は153勝を挙げてリーディングジョッキーとなりました。
153勝はシーズン最多勝ということで、まだ26歳と伸び盛りということもあり今後の活躍が期待されます。
元々逃げ・先行馬に乗った時のペース判断が良いのですが、人気のない差し馬でも上位に食い込むようになりました。
入れ替えられた白砂との相性が良い印象で、今後も勝ち星を積み上げていくことでしょう。
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2位:桑村真明
リーディングの上位常連なのが桑村真明騎手です。
2023年は136勝で2着が114回、連対率32%は優秀な数字ですね。
門別競馬ファンの信頼度が高く、時に過剰人気になってしまうことがあります。
騎乗センスが良いので、予想に困った時は桑村騎手を絡ませることをおすすめします。
3位:服部茂史
服部茂史騎手は、1994年に中津競馬場でデビューしました。
そして、中津競馬の存続が危ぶまれていた2000年に北海道へ移住します。
存続できなくなった競馬場からの移籍組は、新天地で活躍する傾向がありますね。
なんとかしなければと頑張るからなのだと思いますが、服部騎手もそんな一人で門別競馬でも人気です。
差し馬で豪快に追い込んでくる騎乗法は定評があるので、人気のない馬に騎乗している時でも注意しましょう。
▼姫路競馬について知りたい方はこちら!
4位:岩橋勇二
第4位の岩橋勇二騎手は佐賀県出身で、佐賀競馬から2003年にやってきました。
「豪腕」と言われていて、ズブい馬を動かすのを得意としています。
1着は難しくても上位にもってくる力があるので、3連単の2・3着固定で馬券を検討してみましょう。
5位:石川倭
伸び盛りNo.1なのが石川倭騎手です。
勝率21%、連対率39%はトップの成績で、今後ブレイクする兆しがあります。
2013年デビュー以来堅実に騎乗してきましたが、2023年は自信を深めた1年になりました。
落合騎手と共に門別競馬を引っ張っていく存在になってほしいですね。
▼川崎競馬の特徴について解説しています!
当たらない人必見!門別競馬の攻略法5選
門別競馬は最後の直線が長く、一見すると予想しやすいと感じます。
しかしながら2歳時に活躍した馬は中央や他の地方競馬に転厩してしまい、残った馬による予想の難しい競馬になることが多いです。
そんな門別競馬で当たらない人に向けて、攻略法を5つ紹介します。
1200m戦のスペシャリストになる
2023年の門別競馬は7ヶ月間に渡り全982レースが行われましたが、その内1200m戦は373レースでした。
全体の38%が1200m戦なので、門別競馬の主力距離といえますね。
そこで1200m戦のスペシャリストになることをおすすめします。
他の距離の馬券は買わず、1200m戦のみをひたすら追いかけてみるのです。
門別競馬は1日12レースが行われ全てを予想していては時間が足りませんが、1200m戦だけなら4〜5レースほどです。
またレース数が多いということは過去の記録が多く、データを分析するのに適しています。
このように様々なメリットがあるので、1200m戦を研究してみてください。
▼名古屋競馬の特徴をまとめています!
勝負は10月まで我慢する
前述のように、門別競馬は冬季に休業します。
そうすると4月5月に出走する馬たちはほとんどが休み明けとなるため、本来の力を発揮することができません。
冬場に他場へ遠征した馬と、休んで成長した馬の力関係は計りにくいですよね。
それが何走かして夏になると、馬の優劣がわかってきて予想が立てやすくなります。
そのため春先から夏場はレースを観察して、大きな勝負は能力差がはっきりする10月以降にしましょう。
2歳戦の馬券は買わない
2歳戦の多い門別競馬ですが、そこで大きな勝負をするのはおすすめしません。
過去の出走データが出揃っていないのがその理由です。
パドックを見るのを得意として、新馬戦や2歳戦で馬券を当てるプロも中にはいます。
しかし一般のファンは、パドックを中心に判断するのは難しいです。
そんなことから門別競馬は2歳戦ではなく、過去の出走データが出揃った3歳以上のレースを狙うようにしましょう。
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1枠は勝ちにくいので外す
門別競馬のレースを見ると、各馬は内ラチから2〜3頭分スペースを空けて走っているのがわかります。
そこがベストポジションで、内ラチギリギリは砂が深く脚をとられてしまうのではないかと推測できます。
2023年の馬番別勝率を見ると、各馬番とも9〜11%台がほとんどなのに対し、1番(1枠)は7.6%しかありません。
連対率も15.7%と20%台が中心の各馬番からだいぶ下がるのです。
このことから1枠に入った馬は2着も難しく、かなり力のある馬以外は外した方が無難ですね。
2024年後半は石川騎手で勝負
2024年の前半戦は、石川倭騎手の勢いが止まりません。
2023年の1年間と、2024年8月15日までの実績を比較してみましょう。
年 | 騎乗回数 | 1着 | 2着 | 3着 | 勝率 | 連対率 |
2023 | 439 | 94 | 77 | 53 | 21% | 39% |
2024 | 400 | 78 | 74 | 57 | 20% | 38% |
このように勝率と連対率が2023年の好成績のままに、騎乗回数が増えて勝ち星を量産しています。
2位の桑村騎手に14勝の差を付けてトップに立っていて、後半もこの勢いは続くのではないでしょうか。
逃げれば絶妙のペースで抑え、差し馬はあせらず追走する騎乗スタイルは風格さえ漂います。
2024年の後半戦以降は、石川騎手で勝負してみましょう。
▼笠松競馬の特徴はこちらです!
2023年に門別競馬で起きた落馬事故の原因
2023年11月9日、門別競馬の道営記念では11頭中6頭が落馬により競走中止となる事故が起きました。
そのレースでエンリルに騎乗していた吉原寛人騎手は、上手く抑えて脚を溜めながら先頭を走ります。
そして勝負どころの第4コーナー手前にくると、突然エンリルは前につんのめるようにして転倒し吉永騎手は落馬してしまいます。
さらにエンリルの外から馬体を合わせていた桑村騎手騎乗のベルピットや、その後方の馬が巻き込まれてしまったのです。
2023年に入れ替えられたオーストラリア産の白砂は、湿ると多少滑りやすいと言われています。
また金沢競馬所属の吉原騎手は、八百長疑惑が挙がったこともありファンはそんなことも一瞬頭をよぎりました。
しかしエンリルの転倒はあきらかに自身の脚の故障からなるもので、白砂や八百長の影響は無いと言っていいかと思います。
この落馬により腰椎を骨折した吉原騎手ですが、なんと39日後には金沢競馬で復帰しました。
トップジョッキーで居続けられる理由の一つに、丈夫さが挙げられるのがわかりますね。
▼金沢競馬で起きた八百長についてはこちらの記事でご確認いただけます!
門別競馬の特徴:まとめ
門別競馬の特徴を解説しました。
直線の長い門別競馬は最後の追い比べが魅力で、迫力あるレースはファンを楽しませてくれます。
2歳戦が多く予想は難しいですが、攻略法を駆使すれば予想の精度が上がるでしょう。
また2023年に入れ替えられた白砂は、昼間の時間帯では少し眩しく感じられますが、各騎手には概ね好評のようです。
これで事故が防げて積極的な騎乗が増えれば、門別競馬はますます盛り上がっていきますね。
これから大きな勝負をしやすくなるシーズン後半戦、北海道の美味しいものと共に門別競馬を楽しんでくださいね。
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