小倉競馬場の特徴と傾向を調査!得意な騎手やコース替わりを知って攻略しよう

小倉競馬場の特徴と傾向を調査!得意な騎手やコース替わりを知って攻略しよう
山田 健太郎 この記事の監修者 山田 健太郎
   

競馬歴30年。地方競馬新聞記者として10年間勤務。競馬情報サイトの編集長として5年間勤務。その後、フリーランスライターとして独立し、競馬関連の執筆活動を開始。

現在は、競馬情報サイトや雑誌への寄稿、競馬関連書籍の執筆などを行っている。

小倉競馬場は福岡県北九州市、中央競馬で唯一九州にある競馬場です。

福島競馬場と同じくらいの1周距離で、平坦な小回りコースと言われています。

重賞レースは小倉記念や小倉2歳ステークスなどのGⅢまでで、これも福島競馬場と同じくGⅡ以上のレースはありません。

そんな小倉競馬場はどんな特徴や傾向があるのでしょうか。

関東や関西の主力競馬場とは違い、小倉や福島などのローカル競馬場は特徴が掴みづらいですよね。

しかし様々な要素を深堀りすることで特徴や傾向が見えてきて、そこから攻略法が見つかるはずです。

また小倉競馬場を得意とする騎手を知ることも、予想する上で重要だと考えます。

小倉競馬場の特徴と傾向を徹底調査しました。

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目次

小倉競馬場の特徴

小倉競馬場の特徴

小倉競馬場というと、夏競馬を思い出す人も多いのではないでしょうか。

宝塚記念が終わってローカル競馬の開催となり、暑い時期に行われるというイメージです。

そんな小倉競馬場の特徴を見ていきましょう。

平坦ではなく坂がある

小倉競馬場は小回りで平坦と言われています。

芝コースは1周1615.1mでこれは福島競馬場の次に小さいので、小回りということは確かです。

しかし平坦というのは最後の直線が平坦であるだけで、実は第2コーナーは小高い丘になっています。

ゴール地点から第2コーナーにかけて上り坂が続き、第2コーナーの頂点から今度は下り坂になっているのです。

高低差は3mなので、けっこうな丘を上っていますよね。

芝コースはその後第3コーナー前でやや上ってまた下り、最後の直線は平坦になります。

レースの予想をする時は、この坂のことも考えて行いましょう。

芝は野芝に洋芝をオーバーシード

冬の小倉競馬場の芝は、野芝に洋芝をオーバーシードして行われます。

野芝は軽い芝でスピードが出るのに対し、洋芝はクッション性が高く重いです。

凱旋門賞のロンシャン競馬場は洋芝で、この深い芝が日本の各馬を苦しめてきました。

小倉競馬場のように冬と夏に開催するためには、高温に強い野芝と寒さに強い洋芝を組み合わせ、年間を通して芝の状態を保つことが必要です。

また定期的に芝の土壌に穴を開けて生育を促すエアレーションを行い、徹底した管理を行っています。

このように小倉競馬場の芝コースはオーバーシードですが、冬と夏でタイム差はほぼ変わりがありません。

幅員が広くコース替わりが可能

1周距離が長くない割には、映像で見る小倉競馬場は大きく感じます。

そのわけは幅員で、芝のAコースでは30mあり福島競馬場より約5mも広くなっているのです。

それをいっぱいに使うことはありませんが、広い馬場の方が馬も走りやすいのではないでしょうか。

見ているファンもゆったりと見られて良いですね。

小倉競馬場では幅員が広いこともあり、コース替わりが可能になっています。

スパイラルカーブを採用

小倉競馬場の第3・第4コーナーはスパイラルカーブが採用されています。

第3コーナーのカーブをゆるやかにすることで、差し馬にも勝つチャンスを広げているのです。

全てのカーブが急な場合はそこでスピードが上がらず、逃げ・先行馬がそのまま押し切るレースが多くなります。

しかしスパイラルカーブで差し馬は早めの仕掛けが可能になり、第4コーナーで先団に取り付くことができるのです。

小回りコースで逃げ・先行馬が有利なのは間違いありませんが、差し馬のまくりにも注意しましょう。

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小倉競馬場のA・B・Cコースの違い

小倉競馬場のA・B・Cコースの違い

小倉競馬場の芝コースは幅員が広いことを利用して、A・B・Cの3つのコースの設定が可能です。

コース1周距離幅員
A1615.1m30m
B1633.9m27m
C1652.8m24m

開催時は最内に設定されたAコースを使用します。

そして開催中に内ラチ沿いの芝が傷んでくると、内柵を3m外にずらしてBコースを設定するのです。

さらにBコースも荒れてくると、Bコースの3m外にCコースを設定できます。

このようにコースを替えることにより、馬がいつでもきれいな芝の上を走れるように工夫されているのです。

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小倉競馬場における芝コースの特徴

小倉競馬場における芝コースの特徴

小倉競馬場の芝コースは右回りで、6つの距離が設定されています。

坂のない最後の直線は293mあり、これは中央競馬の中でも標準的な長さです。

小倉競馬場芝コースの距離別の特徴を見ていきます。

芝1000mはスタートが決め手

芝コース1000m戦は向正面からスタートします。

スタート後少し上り坂がありますが、第3コーナーから第4コーナーにかけては下り坂で直線は平坦です。

そのため前に行った馬は止まることがなく、そのまま一気にゴールまで駆け抜けます。

この距離はスタートが上手で、ダッシュ力のある馬を狙いましょう。

芝1200mは好タイムが出やすい

芝コース1200m戦は、第2コーナーからスタートします。

1000m戦と同様にスタートが重要で、前に行った馬が圧倒的に有利です。

下り坂と平坦な馬場であることから、好タイムが出やすいのも特徴になります。

2022年7月にテイエムスパーダが逃げ切り勝ちしたときのタイムは1分5秒8で、これは中央競馬における芝1200mのレコードタイムです。

スピード勝負に対応できる馬を狙いましょう。

芝1700mは先行争いが激しい

芝1700m戦は、正面スタンド中央からスタートし馬場を1周するコースです。

最初のコーナーまでの距離が短いため、先行争いが激しくなる傾向にあります。

そのためハイペースになることが多く、差し馬が早めの仕掛けから差し切ることも可能です。

逃げ・先行馬が有利なことに変わりありませんが、まくりも決まるので予想の難しい距離と言えますね。

芝1800mはまくりが決まる

芝1800m戦は最初のコーナーまで距離があるため、スタート後はスローになる傾向です。

隊列がきまって第1・第2コーナーを回り、向正面に入るとペースが上がります。

差し馬はスパイラルカーブを利用して、一気にスピードを上げます。

この距離はまくりが決まりやすいので、力のある差し馬に注意しましょう。

芝2000mは枠順の有利不利はない

第4コーナーからスタートする芝2000m戦は、最初の直線が長く枠順による有利不利はありません。

第2コーナーまで高低差3mの坂を上るためペースは上がりづらく、ここで上手く力を温存できる馬が勝つ傾向です。

2000m戦ですが、長距離を走るような落ち着いた馬が勝利に近いと言えます。

芝2600mは内枠有利

芝2600m戦はコーナーを6回通過し、馬場を1周半するコースです。

そのため内枠に入った馬が有利になります。

逃げ・先行馬がペースを作りやすく、差し馬はどこで動くかが勝敗のポイントです。

コーナーをスムーズに回れる器用さと、2600mを走り切るスタミナが重要ですね。

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小倉競馬場におけるダートコースの特徴

小倉競馬場におけるダートコースの特徴

小倉競馬場のダートコースは1周1445.4mの右回りで、直線距離は291.3mあります。

芝コースと同じように、第2コーナーが丘になっていて高低差は2.9mです。

ここでは、ダートコースの距離別の特徴を見ていきます。

ダート1000mは1枠有利

ダート1000m戦は、第2コーナーを回ったところがスタート地点です。

スタート後は下り坂になるため、各馬ともスピードに乗りやすくなります。

そのため距離のロスが少ない1枠が有利で、スタートを上手に決めるとそのままゴールまで粘りこむことが可能です。

ダート1700mはスタミナが必要

ダート1700m戦は、第4コーナーを回ったところがスタート地点です。

ゴール板を過ぎたあたりから上り坂になるので、中距離ですがスタミナも必要になります。

上り坂のためにペースが上がりにくく、差し馬のまくりも決まりやすい距離です。

ダート2400mは先行馬有利

ダート2400m戦は、向正面からスタートし馬場を1周半します。

コーナーを6回通過するため、先行馬がペースを作りやすく有利です。

長距離戦のためスタミナがあって、パドックで落ち着いている馬を選ぶようにしましょう。

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小倉競馬場を得意とする3人の騎手

小倉競馬場を得意とする3人の騎手

小倉競馬場は小回りであることから、騎手の巧拙が結果に大きく影響する印象です。

得意とする騎手を探すことで、予想の精度が上がってきますね。

小倉競馬場を得意とする3人の騎手を紹介します。

2024年リーディングジョッキー!鮫島克駿

2024年小倉競馬場で最も勝ったのは、鮫島克駿騎手です。

17勝でリーディングジョッキーとなった鮫島騎手は、10月10日現在全国リーディングでも第7位と健闘しています。

2024年でデビュー10年目を迎えた鮫島騎手は、年間80勝が自己ベストですがそれを超えてきそうです。

2025年以降の小倉開催でも活躍が期待されています。

2024年勝率トップ!松山弘平

2024年の小倉競馬場リーディングベスト10の騎手の内、勝率トップだったのが松山弘平騎手です。

13勝でありながら勝率は21.3%で、鮫島騎手の18.9%を上回ります。

松山騎手は全国リーディングでも5位と100勝を超える勢いで、いまやトップジョッキーの一人と言えますね。

安定した成績!西村淳也

2024年は9勝に終わりましたが、小倉競馬場で安定した成績なのが西村淳也騎手です。

西村騎手は2023年に19勝で2位、2022年は23勝で1位でした。

小倉競馬場を手の内に入れている印象なので、人気のない馬に騎乗する際も注意が必要です。

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小倉競馬場の攻略法3選

小倉競馬場の攻略法3選

第2コーナーが丘になっていて小回り、スパイラルカーブで平坦な直線、そんな小倉競馬場はどのように予想したらいいのでしょうか。

関東・関西の主力競馬場と同じような予想方法では、馬券が当たらない感じがしますよね。

小倉競馬場の特徴からわかる攻略法を3つ紹介します。

芝はいつもきれい!逃げ馬が狙い目

小倉競馬場攻略法の一つ目は、逃げ馬を馬券に絡めるということです。

それはあまり多くない開催日数にもかかわらず、コース替えをするということが理由になります。

A・B・Cの3つのコースの設定が可能で、芝はどの時期でも開幕週のようにきれいです。

そのため開催中はずっと前が止まらない状態が続くため、逃げ馬が有利と言えます。

この傾向は、第2コーナーの坂を上らない1000m・1200m戦でより顕著です。

2024年3月3日は第2回小倉競馬8日目で、1月の第1回から連続して続いた開催の最終日でした。

この日の平場の芝競走7レース中、逃げた馬が3着以内だったのが4レースもあったのです。

通常は荒れた馬場での逃げ馬は失速して大敗することが多いのですが、この結果は逃げ馬有利を証明してますね。

人気がない逃げ馬でも注意してみるようにしましょう。

ロングスパートの差し馬は穴をあける

最後の直線が平坦、そして小回りコースということで、小倉競馬場における王道の予想は逃げ・先行馬が中心になります。

そしてそれらの馬が人気になり、差し馬については実力があっても人気が低くなる傾向です。

しかし第2コーナーに高低差3mの丘があり、スパイラルカーブの小倉競馬場はまくりが決まりやすいコースと言えます。

特に第2コーナーを通過する1700m・1800m・2000m戦では、差し馬に十分注意が必要です。

ロングスパートができる差し馬かを見分けるには、競馬新聞の通過順位の欄を確認しましょう。

「10・10・6・4」のように前半は後ろに控えていても、第3コーナー前で仕掛けて第4コーナーでは前にいるという馬はロングスパートができると言えます。

直線での一瞬のキレよりも、いわゆる「長く良い脚を使える馬」というのがこれにあてはまります。

このような馬がパドックでよく見えたら、人気がなくても3連単馬券の2・3着あたりに入れてみるとおもしろいですね。

トップジョッキーはやっぱり強い

小倉競馬場で強い騎手を紹介しましたが、全国リーディング上位の騎手が参戦するとそれを上回る勝率であることがわかります。

全国でもベスト3に入る川田将雅騎手は、小倉競馬場での実績も飛び抜けています。

勝ち数勝率連対率
20246勝30.0%40.0%
20236勝66.7%66.7%
202215勝31.3%62.5%

騎乗数が少ないため勝ち数はそれほどでもありませんが、勝率・連対率はすごいですよね。

トップジョッキーはどの競馬場でも強いということなのだと思います。

川田騎手をはじめ全国リーディング上位の騎手が騎乗する場合は、実績を信じて馬券に組み込んでいきましょう。

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小倉競馬場の特徴:まとめ

小倉競馬場の特徴:まとめ

小倉競馬場の特徴について解説しました。

平坦と言われているのは直線が平坦だからで、第2コーナーに高低差3mの丘があることは知らない人が多い印象です。

また芝のコース替わりやスパイラルカーブなど、特徴を調べれば調べるほど予想のヒントになりますね。

全体として逃げ・先行馬が有利ですが、そこに様々な要素が加わると差し馬のまくりがきまることがあるということがわかりました。

小倉競馬場の特徴と傾向を研究して、精度の高い予想をしていきましょう。

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この記事を書いた人

競馬は奥深いギャンブルであり、楽しみ方は人それぞれです。私は、競馬ファン一人ひとりの楽しみ方に寄り添い、競馬の魅力を伝える記事を執筆していきたいと思っています。

<略歴>
・地方競馬新聞記者として10年間勤務
・競馬情報サイトの編集長として5年間勤務
・フリーランスライターとして独立し、競馬関連の執筆活動を開始
・現在は、競馬情報サイトや雑誌への寄稿、競馬関連書籍の執筆などを行っている

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