園田競馬場の焼き討ち事件は八百長だった?ヤバすぎる暴動の経緯を解説

園田競馬場の焼き討ち事件は八百長だった?ヤバすぎる暴動の経緯を解説
山田 健太郎 この記事の監修者 山田 健太郎
   

競馬歴30年。地方競馬新聞記者として10年間勤務。競馬情報サイトの編集長として5年間勤務。その後、フリーランスライターとして独立し、競馬関連の執筆活動を開始。

現在は、競馬情報サイトや雑誌への寄稿、競馬関連書籍の執筆などを行っている。

園田競馬場は兵庫県の尼崎市にある、兵庫県競馬組合が運営している地方競馬です。

開催期間の金曜日にはナイター競馬が実施され、多くのファンが競馬場に足を運んでいます。

またネット投票が盛んで、売上高は好調に推移しているようです。

不穏な空気を感じない現在の園田競馬場ですが、1974年に「焼き討ち事件」というものがあったことをご存知でしょうか。

焼き討ち事件という言葉だけで、何やら過激なものを感じますよね。

1974年と言えば地方競馬の星ハイセイコーが中央競馬に移籍して大活躍、競馬界全体が活気づいた時です。

今回は、八百長の噂もある園田競馬場の焼き討ち事件について徹底調査しました。

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目次

園田競馬場で起きた「焼き討ち事件」の経緯

園田競馬場で起きた「焼き討ち事件」の経緯

今から50年も前の1974年、活気のあった園田競馬場で「焼き討ち事件」が発生しました。

なんとも不気味な響きの事件ですが、それはどのようなことだったのでしょうか。

焼き討ち事件はなぜ起きたのか、その経緯を解説します。

1.強い2頭の対決に注目が集まる

1974年1月30日の園田競馬第8レースは、タイムラインとスマノダイドウという強い2頭が直接対決するということで注目が集まりました。

これは当時は数多くあったアングロアラブのレースです。

アングロアラブはサラブレッドとアラブを掛け合わせた品種で、サラブレッドに比べて力強く温厚な気性という特徴があります。

タイムラインの生涯成績は37戦21勝、一方のスマノダイドウも37戦21勝と全く同じで、どちらも優秀な成績だったことがわかりますね。

2.ゲートが開かないアクシデント発生

注目の集まったレースは、1枠1番にスマノダイドウ、2枠2番にタイムラインが入りました。

新聞では2頭の一騎打ちとばかりに、◎と◯の印が2頭に集中します。

そしていよいよスタートです。

しかしここでなんと4頭の馬のゲートが開かないというアクシデントが発生しました。

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3.運営はスタートのやり直し「カンパイ」で対応

このアクシデントに対し、運営は「カンパイ」で対応します。

「カンパイ」とは、運営が真正な発走でないと認めた場合に、発走をやり直すことです。

競馬のスタート時に、コース上で大きな白い旗を持った係員に気付く人も多いのではないでしょうか。

その係員は、カンパイを騎手にいち早く知らせる役目を担っています。

このレースでも、白旗が大きく振られました。

4.再スタートするもゲート開かず

ゲートの点検を徹底して、再スタートを試みます。

この間にイライラして力を使ってしまう馬もいるので、カンパイ後の騎手は馬のケアが大変です。

そしてゲートテストが行われ再発走しますが、今度は人気の2頭、スマノダイドウとタイムラインのゲートが開きませんでした。

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5.しかしレースは継続

またカンパイかとファンはため息をついたのですが、レースはそのまま続行されます。

各馬が20mほど先に行ったところで、ようやくスマノダイドウとタイムラインがスタートしますが、圧倒的に不利な状況です。

2頭は全力で追いかけますがスマノダイドウが3着で入線、タイムラインが4着で入線となりました。

そんな出遅れでこの結果ですから、まともな勝負だったら2頭でぶっちぎりでしたね。

6.観客の不満を受けてレース不成立が決定

当然ですがスマノダイドウとタイムライン絡みの馬券を買っていた人は多くいて、その観客たちの不満が爆発します。

運営は審議を行いその結果レースは不成立馬券は買い戻しということになりました。

7.馬券的中者の不満が爆発して暴徒化

すると今度は、馬券的中者が黙っていません。

枠連で211.6倍にもなる大穴馬券ですから、それがレース不成立では誰でも怒り心頭になるでしょう。

詰め寄る観客とレース不成立を繰り返す運営側、両者の溝は埋まりません。

そして暴徒化した観客の一人がゴミ箱を放火します。

それだけでは留まらず、馬券売り場のガラスを割って火を投げ込みました。

売上金が強奪され場内は暴徒化、もはや競馬続行は不可能となり、第9レース以降は取りやめとなったのです。

これが園田競馬場の焼き討ち事件の経緯です。

この事件により、兵庫県競馬組合は、競馬開催を18日間も自粛しました。

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園田競馬場の焼き討ち事件は八百長だった?

園田競馬場の焼き討ち事件は八百長だった?

園田競馬場の焼き討ち事件について解説しました。

故山口瞳氏が名著「草競馬流浪記」で、地方競馬場の各所で「おっかない」ということを書いておられました。

そのくらい昔の地方競馬の治安は悪かったのだろうと想像します。

園田競馬の焼き討ち事件は、元々の治安の悪さと運営側のはっきりしない裁定で暴徒化してしまったのでしょう。

それにしても再度のカンパイが行われなかったのは疑問ですね。

八百長ではないかと詰め寄った観客の言い分も、一理あるのではないかと勘繰ってしまいます。

今後このような事件は起こらないと思われますが、これを忘れずに公正な運営をしてほしいですね。

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この記事を書いた人

競馬は奥深いギャンブルであり、楽しみ方は人それぞれです。私は、競馬ファン一人ひとりの楽しみ方に寄り添い、競馬の魅力を伝える記事を執筆していきたいと思っています。

<略歴>
・地方競馬新聞記者として10年間勤務
・競馬情報サイトの編集長として5年間勤務
・フリーランスライターとして独立し、競馬関連の執筆活動を開始
・現在は、競馬情報サイトや雑誌への寄稿、競馬関連書籍の執筆などを行っている

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