攻略が難しい?中京競馬場の特徴を芝・ダートで分けて解説!有利な枠や強い馬も伝授

攻略が難しい?中京競馬場の特徴を芝・ダートで分けて解説!有利な枠や強い馬も伝授
山田 健太郎 この記事の監修者 山田 健太郎
   

競馬歴30年。地方競馬新聞記者として10年間勤務。競馬情報サイトの編集長として5年間勤務。その後、フリーランスライターとして独立し、競馬関連の執筆活動を開始。

現在は、競馬情報サイトや雑誌への寄稿、競馬関連書籍の執筆などを行っている。

中京競馬場は愛知県にあるJRAの競馬場です。

愛知県には大都市名古屋があり、東京や京都・大阪とは異なる独自の文化が育まれています。

中京競馬場にもその傾向があり、東の主力である東京・中山と、西の主力である阪神・京都の各競馬場とはまた違った魅力を持つ競馬場です。

そんな中京競馬場はどんな特徴があるのでしょうか。

2012年の3月にリニューアルオープンし、それまでの馬場から変更になった箇所が多く、それが予想を難しくしているようです。

コースの特徴や距離別の違い、また中京競馬場で強い馬や騎手を知ることで、馬券予想のヒントになるのではないでしょうか。

中京競馬場の特徴と傾向を徹底調査しました。

目次

中京競馬場の特徴

中京競馬場の特徴

中京競馬場は左回りで、芝コースとダートコースがあります。

2012年3月にリニューアルし、それまでの小回りのイメージから大きく変化しました。

どんな変化を遂げたのか、中京競馬場の特徴を見ていきます。

GⅠレースが2つある

中京競馬場は、小倉競馬場や札幌競馬場などと同様にローカル扱いの競馬場です。

しかし高松宮記念・チャンピオンズカップという2つのGⅠレースが開催されています。

このため東京や京都などの四代競馬場までではないですが、ローカルよりは格上と言った感じです。

高松宮記念は2024年で54回を数える歴史ある一戦です。

第1回から25回までは芝2000mで行われていましたが、1996年の第26回より芝1200mのGⅠ戦に格上げされました。

今ではすっかり春の短距離王決定戦として定着しています。

一方のチャンピオンズカップは2013年までジャパンカップダートとして、東京・中山・阪神の各競馬場で行われていました。

2014年からは中京競馬場のダートコース1800mで行われるようになり、秋のダート王決定戦になっています。

1着賞金は1億2000万円で、ダートのレースではフェブラリーステークスと並び国内最高額です。

このように中京競馬場は、GⅠレースも行われる不思議なローカル競馬場なのです。

スパイラルカーブと長い直線

中京競馬場の第3・第4コーナーはスパイラルカーブが採用され、差し馬でも活躍できるコースとなりました。

また第4コーナーを回った最後の直線は、芝コースで412.5m、ダートコースで410.7mもあります。

芝コースは新潟(外)・東京・阪神(外)の次に、ダートコースは東京に次ぐ長いものになりこれまでのイメージを一新しました。

それまでの小回りのイメージで行っていた予想では、全く見当違いになってしまいますね。

2012年以降の中京競馬は、差し・追い込み馬をしっかり考慮して予想しましょう。

体力を奪われる急坂

2012年のリニューアルで最大の変化と言っていいのが、高低差3.5m(ダートコースは3.4m)の坂が設けられたことです。

しかも最後の直線のゴール前、400mから200mにかけては急な上り坂が作られました。

200mで約2mも上る急坂は、中山競馬場には及びませんが阪神や東京よりは急になっています。

スタンド前からスタートすると最初は平坦ですが、第2コーナーから上り坂で1mほど上ります。

向正面中央あたりが頂点になっていて、そこから最後の直線のゴールまで400m地点にかけて一気に3m下るのです。

そしてトドメに最後の急坂と、リニューアル後の中京競馬場は、体力を奪われるとてもタフなコースになっています。

スピードとパワー、そしてスタミナも必要なコースに変わったと言えるでしょう。

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中京競馬場における芝コースの特徴

中京競馬場における芝コースの特徴

中京競馬場の芝コースは、Aコースで1周1705.9m、幅員は28m〜30mです。

使用されている距離は7つあり、どの距離も高低差が勝負に大きく影響します。

中京競馬場における芝コースの特徴を見ていきましょう。

芝1200mは意外にもスタミナ勝負

芝1200m戦は向正面からの発走で、スタート後はいきなり上り坂になっています。

その後は一気に下り、ゴール前で急坂を上るという1200mにしては変化のあるコースです。

高松宮記念で使われるコースで、短距離だからといってスピード重視であるとは限りません。

実際過去10年の高松宮記念で逃げて勝ったのは1頭だけで、道中は脚をため、長い直線を利用して抜け出すレースが多くなっています。

この距離は、スピード以上にスタミナを要求されるコースだと覚えておきましょう。

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芝1300mは差し馬が有利

芝1300m戦は第2コーナーを回ったところがスタート地点です。

スタート後は向正面の直線を400m以上走るため、ペースは上がりづらくなっています。

そのため差し馬が追走しやすく、力を温存したまま最後の直線を迎えるためやや有利な傾向です。

芝1400mはスピード・スタミナ・パワーが必要

芝1400m戦は、スピード・スタミナ・パワーの総合力が試されるコースです。

第2コーナーの引き込みからスタートし、長い向正面を上りながら進みます。

そして下降して、最後の直線でまた急坂を上るので、スピードと共にスタミナもパワーも必要なのです。

他場で1200m・1400mの成績が良いからといって、中京競馬場で活躍できるとは限らないので注意するようにしましょう。

芝1600mはスタミナ温存で内枠有利

芝1600m戦のスタート地点は特殊で、第2コーナーをななめに下がった引き込みからとなります。

そのため発走後すぐに第2コーナーへゆるくカーブするため、内枠の逃げ・先行馬が走りやすいです。

中枠なら問題ありませんが、外枠はあきらかに距離のロスとなるため、特に逃げ・先行馬が外枠に入った時は評価を少し下げるようにしましょう。

芝2000mはスタート直後に急坂の消耗戦

芝2000m戦はゴール手前の直線からスタートし、馬場を1周するコースです。

スタート後は急坂が待ち構えていて、ダッシュがつきにくいためスローになる傾向にあります。

急坂を2回も上るので消耗戦となり、最後まで体力を温存できた馬が勝利に近いです。

パドックで落ち着いている馬を狙うようにしましょう。

芝2200mは差し・追い込みが決まりやすい

芝2200m戦は第4コーナー引き込みからスタートするため、最初のコーナーまで500m以上あります。

また途中急坂もあるのでペースは上がりづらく、差し馬が追走しやすいです。

2024年の神戸新聞杯はメイショウタバルが逃げ切りましたが、これはレアなケースでほとんどの場合逃げ切りは難しいです。

それはこの距離のレースのほとんどが、未勝利か1勝クラスだからということに関係します。

力のない逃げ馬は頑張って逃げても、2回の急坂で体力を消耗し勝ちきれないからです。

この距離の下級条件戦は、差し・追い込みが決まりやすいと言えますね。

芝3000mは力と力のぶつかり合い

芝3000m戦は1300m戦と同じスタート地点で、馬場を1周半します。

コーナーを6回通り、ゴール前の急坂を2度も上らなければなりません。

とてもタフなコースで、力と力のぶつかり合いになります。

3200mや3600mでも対応可能な、スタミナ豊富な馬を狙うようにしましょう。

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中京競馬場におけるダートコースの特徴

中京競馬場におけるダートコースの特徴

中京競馬場のダートコースは、1周1530mで幅員は25mです。

芝コースと同じく最後の直線に急な上り坂があります。

ダートコースの5つの距離の特徴を見ていきましょう。

ダート1200mは内枠の逃げ馬が残りやすい

ダート1200m戦は第2コーナーを回ったところがスタート地点で、スタート後は坂を1mほど上ります。

向正面の頂点から第4コーナー過ぎまで約3m下り、再び急坂を約2m上るという高低差の激しいコースです。

スパイラルカーブ採用とはいえ、芝コースより内回りのためカーブは急です。

そのため内枠に入った逃げ馬が残りやすくなっています。

ダート1400mは芝スタートでスピードが出やすい

ダート1400m戦は、第2コーナー引き込みの芝コースから始まります。

ダート本線に合流するまで約150mほどあるため、スタート直後はスピードが出やすい傾向です。

前半のペースが速くなり、逃げ馬は息を入れづらいコースと言えます。

そのため前を見ながら脚をためられる差し・追い込み馬が有利です。

ダート1800mは上り坂スタートでパワーのある逃げ馬有利

スタンド前から発走するダート1800m戦は、スタート後は急な上り坂となります。

ペースは上がりにくく、どの馬も前に行くことが可能です。

内枠に入った逃げ馬が先手を取れば、4回のコーナーを通るため逃げ粘る可能性が高くなります。

スピードよりもパワーのある逃げ馬を狙うようにしましょう。

ダート1900mはスタミナとパワーが必要

ダート1900m戦は、2度の急坂を通るコースでスタミナとパワーが必要になります。

最初の直線が長いため枠による有利不利は少ないですが、コーナーを4回通ることから内枠の方が走りやすい印象です。

雨が降って重馬場になるとスピード決着になることもあるので、馬場状態は常にチェックするようにしましょう。

ダート2500mはタフな馬が勝つ

ダート2500m戦は向正面中程からの発走で、スタート後は下り坂のためスピードが上がりやすいです。

またすぐに第3コーナーのカーブがあるため、内枠の逃げ馬が楽に先手を取りやすいと言えます。

しかしその後2回の急坂を通過するので、ペースを落として力を温存することが大事です。

この距離は逃げても差しても、タフな馬が勝つ可能性が高いでしょう。

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中京競馬場に強い馬はロードカナロア産駒

中京競馬場に強い馬はロードカナロア産駒

急坂のため短距離であってもスピードだけでは勝てない中京競馬場ですが、ここで強い馬はどのようなタイプなのでしょうか。

中京競馬場で強い馬はロードカナロア産駒で、1600m以下で特にその傾向があります。

ロードカナロアは2010年から13年に活躍した馬で、高松宮記念・スプリンターズステークス・安田記念を制しました。

第4コーナーを5番手以下で回っても、最後はきっちりと差し切る爆発的な末脚が魅力です。

種牡馬になってもその力を仔に引き継ぎ、種牡馬リーディングは2023年まで4年連続で2位になっています。

1600mまでの距離では無類の強さがあり、今後もこの傾向はしばらく続きそうです。

中京競馬場においてもその産駒は強く、芝だけでなくダートでも活躍しています。

中京競馬場の1600m以下のレースは、迷ったらロードカナロア産駒を選ぶのがおすすめです。

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中京競馬場に強い騎手は川田将雅

中京競馬場に強い騎手は川田将雅

難しいコースを攻略するには馬だけでなく、強い騎手と合わせた予想が必要ですよね。

中京競馬場では川田将雅騎手が、他の追随を許さない圧倒的な成績を収めています。

全国リーディングでも1・2を争う川田将雅騎手ですが、中京競馬場はよほど相性がいいのでしょう。

2023年の実績は次の通りです。

1着回数勝率連対率3着内率
37回33.6%59.1%69.1%

2位の岩田望来騎手に10勝の差を付け、勝率・連対率・3着内率は圧倒的です。

この数字を見ると、中京競馬場では川田騎手に逆らってはいけませんね。

川田騎手が乗る場合は、どんな馬でも馬券に絡めるようにしましょう。

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中京競馬場はB指定席がおすすめ

中京競馬場はB指定席がおすすめ

競馬場ではそれぞれの楽しみ方がありますが、指定席で優雅に観戦するのもいいですよね。

中京競馬場は様々なタイプの指定席が用意されています。

指定席名通常料金
Sシート2700円
ラウンジシート5400円
ファミリールーム5400円
A指定席2000円
B指定席1500円
スマートシート400円/600円

このうちSシートはこれまでUMACAシートと呼ばれていたもので、2024年10月より名称が変更されました。

個人の占有スペースが大きく、ゆったりと競馬を楽しむことができます。

そして中京競馬場で最もおすすめなのが、意外にもB指定席です。

A指定席が冷暖房完備の快適空間なのに対し、B指定席はオープンエアで春先は寒い日もあります。

しかし位置がゴール前で、急坂を懸命に上ってくる馬を間近で見ることができるのです。

ゴール前の熱い戦いは、多少の暑さ寒さを吹き飛ばすほどの迫力があります。

料金も手頃なB指定席、二人で行くなら31-ア-Aと31-ア-Bがゴールに近くおすすめですよ。

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中京競馬場は内枠が有利

中京競馬場は内枠が有利

第3・第4コーナーのスパイラルカーブ、長い直線と急坂が特徴的な中京競馬場ですが、どの枠が有利なのでしょうか。

一見すると外枠でも問題ないように感じますが、中京競馬場はどの距離でも内枠がやや有利です。

その理由はコーナーの半径が小さいことにあります。

内枠で先行して体力を温存し、きついコーナーをゆっくりと回って最後の直線に向きます。

これが中京競馬場における最も勝ちやすいパターンです。

ダートではよりこの傾向が強いので、中京競馬場は、どの距離でも内枠の先行馬を狙うのがセオリーと言えますね。

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中京競馬場の攻略は難しい?

中京競馬場の攻略は難しい?

中京競馬場の特徴について解説しました。

攻略が難しいコースと言われていますが、特徴と傾向をつかむことでヒントが見えてきましたね。

直線の長さや高低差によって、競馬場の特徴もそれぞれ異なってきます。

同じ左回りの新潟競馬場で活躍しているからといって、同じ馬が中京競馬場で活躍できるとは限りません。

それぞれの競馬場の比較が難しく、だからこそ予想にも力が入りますね。

中京競馬場の様々な特徴を確認して、的中率を上げていきましょう。

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この記事を書いた人

競馬は奥深いギャンブルであり、楽しみ方は人それぞれです。私は、競馬ファン一人ひとりの楽しみ方に寄り添い、競馬の魅力を伝える記事を執筆していきたいと思っています。

<略歴>
・地方競馬新聞記者として10年間勤務
・競馬情報サイトの編集長として5年間勤務
・フリーランスライターとして独立し、競馬関連の執筆活動を開始
・現在は、競馬情報サイトや雑誌への寄稿、競馬関連書籍の執筆などを行っている

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